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【糖尿病】トルリシティはインスリン分泌を促進する

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トルリシティは、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げる薬です。

インスリンの分泌を促進するGLP-1というホルモンのような働きをします。

 

 



 

 

通常のインスリン分泌

食事を取ると血糖値が上がります。
その後、糖が膵臓のβ細胞にくっついて、インスリンが分泌されます。

 

一方、食事をしたあと小腸からはGLP-1が分泌されます。
GLP-1は膵臓のβ細胞にくっついて、インスリン分泌を増強します。

 

GLP-1は、直接インスリン分泌を促す訳ではなく、インスリン分泌を増強する作用があります。

血糖値が上がってインスリンが分泌されるときに作用します。

GLP-1はインスリン分泌を助ける脇役ということができます。

 

ただし、GLP-1はDPP-4という酵素ですぐに壊されてしまうため、作用は持続しません。

 

 



 

 

トルリシティの3つの作用

トルリシティはGLP-1アナログというカテゴリーの薬です。

GLP-1アナログはGLP-1と同じ作用します。

主な3つの作用は以下の通りです。

 

1.グルコース応答性インスリン分泌作用

グルコース多くなったときーつまり高血糖糖のときに、血糖値を下げます。

 

2.グルカゴン分泌抑制作用

血糖値を上げる働きをするグルカゴンを減らして、血糖値を下げます。

 

3.胃内容排出遅延作用

食べたものが胃から腸に運ばれるのを遅らせます。
その結果、糖の吸収がゆるやかになり、急な血糖値の上昇が抑えられます。

 

 

インスリンの分泌を増強

トルリシティの最も重要な作用は、インスリン分泌作用です。

 

特に血糖値が高いときに、インスリンの分泌を増強します。

 

反対に、血糖値が低いときは、インスリンの分泌がないので、GLP-1アナログは作用しません。

低血糖時には作用しないので、低血糖が起こりにくい薬です。

 

 

小腸から分泌されるGLP-1は、DPP-4という酵素で分解されてしまいますが、GLP-1アナログはDPP-4によって分解されません。

そのため、トルリシティなどのGLP-1アナログは効果が持続します。

 

 



 

 

治療効果

血糖値が高いときほど効果が出ることが確かめられています。

空腹時にも全く作用しない訳ではなく、いくらか空腹時の血糖値も下げます。
ただし、食後の血糖値に対するほどの効果ではありません。

 

トルリシティを使うのを忘れたとき

3日間(72時間)以上の間隔を空けるのがポイントです。

 

次回まで3日以内のとき

気づいた時点ですぐに使います。

次に使う曜日は変更しません。1日ずらす必要はありません。

 

次回まで3日未満のとき

今回は使いません。この週は飛ばします。
次は、決めてあった曜日に使用します。

 

 

インスリンとの併用

基本的にインスリンと一緒には使用できません。

 

DPP-4阻害薬との併用

基本的にDPP-4阻害薬と一緒には使用できません。

トルリシティもDPP-4阻害薬もGLP-1受容体を介して作用するためです。

 



 

 

低血糖

トルリシティは、単独では低血糖のリスクの低い薬です。

血糖値が高いときに作用するためです。

他の糖尿病治療薬を服用している場合には、低血糖に注意が必要です。

 

まとめ

・トルリシティは、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げる薬です。

GLP-1は、直接インスリン分泌を促す訳ではなく、インスリン分泌を増強する作用があります。

特に血糖値が高いときに、インスリンの分泌を増強します。

トルリシティを使うのを忘れたときは、3日間(72時間)以上の間隔を空けるのがポイントです。

・基本的にインスリンとDPP-4阻害薬との併用はできます。

トルリシティは、単独では低血糖のリスクの低い薬です。

・他の糖尿病治療薬を服用している場合には、低血糖に注意が必要です。

 

参考資料:インタビューフォーム、添付文書