ここ数年、梅毒に感染する人が増えています。 梅毒は、主に性的な接触などで感染する性感染症です。 この記事では、梅毒の現状と予防や治療についてまとめます。 検査は、あくまでも医療機関で受けることが基本ですが、「さくら検査研究所」などを利用すれば誰にも知られずに検査を受けることもできます。
梅毒が増加しています
梅毒の患者数が急増しています。性感染症はおおむね減少傾向にあるにも関わらず、ここ数年で梅毒が増えています。平成25年(2013年)の患者数は1,228人だったのに対し、平成30年(2018年)は7,001人となり約5倍になっています。年代別では、男性では20代から40代が多く、女性では20代が多くなっています。ここ5年間は毎年増加していて、梅毒の蔓延が心配されています。
梅毒とは
梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体による感染症です。口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。特に、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)が主な感染経路となっているため性感染症に位置付けられています。妊娠・出産のときに母親から子供に感染することもあります。 感染すると3週間ほどで発症します。3週間は症状がない潜伏期間なので、感染に気付かずに他の人に感染するリスクがあります。 感染後3週間ほどで、陰部、口唇部、口腔内、肛門等などの、感染した部位ににしこりや潰瘍ができることがあります。股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。 3か月以上治療をしないと、全身に症状が現れます。病原体が血流に乗って全身に運ばれるためです。手のひら、足の裏など全身にうすい発疹ができます。 さらに数年間放置すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じて、死に至ることもあります。
梅毒の治療
治療には抗菌薬を使用します。基本的には内服薬を使用しますが、入院して点滴を使用することもあります。抗菌薬は、菌の増殖を抑えたり殺菌的に働いたりする薬です。梅毒トレポネーマに効果を発揮する抗菌薬を継続して服用することで、徐々に体内の菌が減っていきます。そのため、医師が効果を判定するまで服用を継続することが大切です。梅毒に対してよく使用される抗菌薬は以下の通りです。
アモキシシリン
よく使用される抗菌薬は、アモキシシリンです。商品名としてはサワシリン、パセトシンなどがあります。アモキシシリンは細菌が生きていくのに重要な細胞壁をつくらせないようにする薬で殺菌的に作用します。アモキシシリン1 回500mg 1 日3 回を4 週間服用するのが基本です。
ミノサイクリン
次によく使用されるのは、ミノサイクリンです。商品名としてはミノマイシンなどがあります。ミノサイクリンは細菌が生きていくのに必要なたんぱく質をつくらせないようにする薬です。ミノサイクリン 1 回100mg 1 日2 回で4 週服用するのが基本です。
スピラマイシン
スピラマイシンという抗菌薬も梅毒トレポネーマに対して抗菌作用があります。アセチルスピラマイシン錠100という商品名の内服薬があります。スピラマイシンも細菌が生きていくのに必要なタンパク質をつくらせないようにする薬です。基本的に、1 回200mg 1 日6 回で4 週服用します。
予防と検査が大切
梅毒トレポネーマは、患者の傷口からの浸出液、精液、膣分泌液、血液などの体液に含まれています。患者の体液が、他の人の粘膜や傷口に接触することで感染します。そのため、性交だけでなく口や皮膚の傷などからも感染することを覚えておきましょう。予防のためには、複数の人と性的な接触を持たないことが大切です。コンドームを使用することも感染防止につながりますが、口などからの感染を防ぐことも大切です。 性的な接触があった後に、気になる症状があるときは早めに検査を受けることが大切です。早い段階で治療を始めることが大切だからです。また、さらに他の人へと感染することを防ぐことができます。
医療機関で検査を受ける
基本的には、医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。皮膚科や感染症科、また男性は泌尿器科、女性は産婦人科で検査を受けられます。梅毒に感染したかどうかは、医師の診察と血液検査で判断します。
誰にも知られずに検査を受ける
医療機関を受診することが基本ですが、恥ずかしくて病院になかなか行けない、そのために治療が遅れ、他の人にも感染してしまうということが現実に起きていると思います。誰にも知られずに検査できれば、早期治療、感染防止につながることがあります。webサイトから、誰にも知られずにインターネットで申し込むことができます。
さくら検査研究所
さくら検査研究所を利用すると、誰にも知られずにインターネットで申し込むことができます。さくら検査研究所は市長の認可を受けた衛生検査所で、管理医師のもとで国家資格をもつ臨床検査技師によって行われます。プライバシーマークを取得していて、個人情報の適切な保護処置を講ずる体制を整備しています。全国に提携している医療機関がある研究所です。
検査キットは、自宅で受け取るか指定した郵便局で受け取ることができます。説明書を読んで自分で検体を取ります。採取した検体は封筒に入れてポストに投函するだけです。検査結果はwebサイトで確認できます。メールや郵送を希望をすることもできます。 自分やパートナー生まれてくる子供のためにも、気になる場合は早めに検査を受けましょう。
株式会社予防会
予防会のサイトからも、誰にも知られずにインターネットで申し込むことができます。予防会の前身は、性感染症(STD)定期検査の先駆者として知られる「早川クリニック」です。性感染症(STD)に関する豊富な知識、定期検査を通じて積み重ねてきた数多くの実績があります。サイトを見ると、提携している医療機関の情報も知ることができます。
まとめ
・梅毒の患者数はこの5年間で5倍に急増しています。
・梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体による感染症で、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。
・性交だけでなく口や皮膚の傷などからも、患者の体液を介して感染します。
・治療は抗菌薬の内服か点滴によって行います。
・基本的には医療機関で、医師の診察と血液検査で判断します。
・さくら検査研究所を利用すると、誰にも知られずにインターネットで申し込むことができます。
参考資料:梅毒診療ガイド|日本性感染症学会、サワシリン添付文書、インタビューフォーム、ミノマイシン添付文書、インタビューフォーム、アセチルスピラマイシン錠100添付文書、インタビューフォーム、梅毒の拡大を食い止めるため。 一人ひとりが予防と検査を!|政府広報オンライン、さくら検査研究所