ノコギリヤシは前立腺肥大に効果があるのか
ノコギリヤシは、サプリメントとしてドラッグストアでよく見かけるようになりました。
サプリメントですから効能効果をうたうことはできません。
では、みなさん何を期待して購入しているのでしょうか。
ノコギリヤシとは
ノコギリヤシは、米国東部原産の低木のヤシです。
ノコギリヤシの果実をフロリダのセミノール族が薬用に用いていました。
ノコギリヤシは、伝統療法または民間療法として前立腺肥大に関連した症状に用いられていた。
前立腺への効果は確認されていない
ノコギリヤシの成分には抗アンドロゲン作用があり、前立腺肥大の症状改善に有効であるとする論文もあるそうです。
それでも、前立腺への十分な効果は確認されているとはいえません。
2006年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)が、225人の中等度から重度の前立腺肥大の患者に対して試験を実施しましたが改善は見られませんでした。
2011年に米国の国立補完統合衛生センター(NCCIH)が行った試験では、高齢男性369人に投与されました。通常の3倍量を使用しても、前立腺に対する効果は見られませんでした。
薬との相互作用は?
ホルモン剤との併用に注意
ノコギリヤシは、効果は実証されていませんが、抗アンドロゲン活性、抗エストロゲン活性があります。薬として利用できるほどの効果はありませんが、ホルモンへの影響はあるという事です。ですから、経口避妊薬やホルモン療法への影響が懸念されます。
血液凝固阻害薬や抗血小板薬との併用に注意
また、ノコギリヤシを使用していた患者が手術中に出血多量になったという報告があります。このことから、血液凝固阻害薬や抗血小板薬―いわゆる血液サラサラの薬を服用している方は避けた方がいいと言えそうです。
参考資料:「総合医療」情報発信サイト、福岡県薬剤師会ホームページ