アレルギー

ゾレアは花粉症を改善する【抗体医薬です】【使えるのは重症者のみ】

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ゾレアは花粉症に使えるようになった抗体医薬です。2009年に喘息治療薬として承認されましたが、2017年には突発性慢性蕁麻疹、2019年12月には季節性アレルギー性鼻炎の適応が加えられました。

・ゾレアは、血液中のIgEという物質にくっつく抗体医薬です。
・アレルギー反応に関係するIgEの働きを邪魔してアレルギー症状を抑えます。
・気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性の慢性蕁麻疹の適応がありますが、重症の場合に限られています。

ゾレアは抗体医薬です

抗体医薬とは、抗体を利用した医薬品です。抗体は、決まった物質にくっつく性質がある物質で、体の免疫系で働いています。抗体の性質を利用して、ピンポイントで効果を発揮するようにしたものが抗体医薬です。例えば、がん細胞の決まった場所にくっついて狙い撃ちする抗体医薬があります。がん細胞だけにくっつくので、高い治療効果を得ながらも副作用は少なくできます。

ゾレアは、花粉症に使える初めての抗体代医薬です。2009年には難治性の気管支喘息、2017年には突発性慢性蕁麻疹の適応が承認されています。2019年12月には季節性アレルギー性鼻炎の適応が加えられたので、花粉症にも使用できようになりました。

ゾレアの作用

ゾレアは血液中のIgEという物質にくっつく抗体医薬です。アレルギー反応に関係するIgEの働きを邪魔してアレルギー症状を抑えます。

IgEは免疫グロブリンの一種で、肥満細胞や好塩基球という免疫細胞にくっつく性質があります。IgEの結合部位が肥満細胞や好塩基球にくっつくと、ヒスタミンが放出されてアレルギー反応が起こります。

ゾレアの成分のオマリズマブは、IgEの結合部位にくっつきます。IgEは結合部位が使えなくなるので、肥満細胞や好塩基球にくっつけなくなります。そのため、肥満細胞や好塩基球からはヒスタミンが放出されなくなるためアレルギー反応が抑えられます。

 

使用できるのは重症者のみ

効果としては、既存の抗ヒスタミン薬を服用しなくて良くなるほどの効果が期待できます。ただし、誰でも使用できるわけではなく、一定の条件を満たす重症の患者さんだけに使用されます。かなり高額な医薬品のため、医療費との兼ね合いですべての人が使用できるようにはなっていません。

効能又は効果は以下の通りです。

気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)

季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)

特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)

気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性の慢性蕁麻疹のどれに対しても、重症の場合のみ使用可能です。

花粉症の場合も、ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン薬を使っても重症の重い症状が出る場合に使用可能です。しかも、今シーズンになってから既存の治療を1週間試して効果が得られない場合に限られます。

 

まとめ

ゾレアは、血液中のIgEという物質にくっつく抗体医薬です。アレルギー反応に関係するIgEの働きを邪魔してアレルギー症状を抑えます。
気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性の慢性蕁麻疹の適応がありますが、重症の場合に限られています。

 

参考資料:ゾレア皮下注インタビューフォーム、日経DI2009.4.24、日経DI2019.12.14

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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