レボフロキサシンと大動脈瘤
レボフロキサシンの添付文書に以下の追記がされました。
大動脈瘤、大動脈瘤解離に関連した記載です。
[慎重投与]の項に
「大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者」
を追記し、[重要な基本的注意]の項に
「大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること。」
を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に
「大動脈瘤、大動脈解離大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。」
慎重投与]の項に
「大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者」
を追記し、[重要な基本的注意]の項に
「大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること。」
を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に
「大動脈瘤、大動脈解離:
大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。」
ニューキノロン系抗菌薬と大動脈瘤、大動脈解離の関係
ニューキノロン系抗菌薬と大動脈瘤、大動脈解離の関係は以前から指摘されていました。
原因として、ニューキノロン系抗菌薬には、コラーゲン分解の促進作用やコラーゲンの成熟架橋の阻害作用があるようです。
それによって、コラーゲンの異常をきたすと考えられます。
コラーゲンは、大動脈壁の細胞外マトリクスを構成する主要な成分です。
ニューキノロン系抗菌薬によるコラーゲン異常が大動瘤、大動脈解離に関係していると考えられています。
因果関係についての研究
大動脈瘤の患者、大動脈解離の患者の合わせて1477人のニューキノロン系抗菌薬の服用状況を調査した研究があります。
その研究の結果は、ニューキノロン系抗菌薬の服用は大動脈瘤、大動脈解離の発症リスクを2.43倍に上昇させるというものでした。
でも、この研究は大動脈瘤、大動脈解離の患者を対象にしたものです。
なので、はっきりした因果関係までは明らかになっていません。
大動脈瘤になった人を調べたら、ニューキノロン系抗菌薬を服用していた人が多かった、ということです。
ニューキノロン系抗菌薬を飲んだら大動脈瘤になった、とまでは言えない訳です。
本当にニューキノロン系抗菌薬を服用したから病気になったのか、ということまでは明らかになっていません。
添付文書にあるように、これらの疾患の既往歴がある人、家族歴がある人は、ニューキノロン系抗菌薬の服用は控えた方がよさそうです。