虫歯の治療は終わったのになんとなく歯が痛むことがあります。
このように、虫歯などの原因がないにもかかわらず歯の痛みを感じる非歯原性歯痛の原因は何でしょうか。
非歯原性歯痛とは
非歯原性歯痛とは、歯に痛みの原因がないにもかかわらず歯の痛みを感じる病気です。
よく見られものとして、肩こりによって頭痛や歯痛が起こり、マッサージなどによって改善するということがあります。
原因は関連痛
ふつうは、痛みの原因がある場所で痛みを感じます。一方、痛みの原因とは別の場所に痛みを感じることがあります。痛みの原因があると、末梢神経から中枢神経へと痛みの信号が伝えれます。その結果、脳で痛みを感じます。このとき、中枢で痛みの発生源を拡大して、痛みの原因がない場所まで痛みがあるように感じてしまうことがあります。代表的なのは、心臓の痛みがあるときに、肩や腕などにも痛みを感じてしまうことが知られています。
非歯原性歯痛の場合も、肩こりなど別の場所に原因があるにもかかわらず歯の痛みとして感じてしまうことがあります。
非歯原性歯痛の種類
非歯原性歯痛には、いくつもの種類があります。痛みの原因によって分類されています。
筋・筋膜性歯痛
最も多いのが、筋・筋膜性歯痛です。非歯原性歯痛の45~50%筋・筋膜性歯痛です。筋・筋膜性歯痛は、食べ物をかむときに働く筋肉(咬筋、側頭筋、顎二腹筋前腹)に痛みが生じて、その痛みを歯の痛みと認識してしまいます。
治療は、筋肉の硬直を解くための治療をします。非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬などがあります。自分でできるものとしては、ストレッチやマッサージがあります。
神経障害性歯痛
2番目に多いのが神経障害性歯痛です。抜歯、手術などで神経が損傷されたり、帯状疱疹のウイルス感染によって神経に炎症が起きることなどが原因となります。
神経血管性歯痛
神経血管性歯痛は、片頭痛、群発頭痛によって生じる歯痛です。頭痛の治療をすることで歯痛も改善されることが期待できます。
まとめ
・非歯原性歯痛とは、歯に痛みの原因がないにもかかわらず歯の痛みを感じる病気です。
・原因は、他の部分の痛みを歯の痛みとして感じ取ってしまう関連痛です。
参考資料:日本顎咬合学会誌咬み合わせの科学第35巻第3号2015