ロトリガ粒状カプセルは、有効成分としてEPAとDHAを含有しています。
日本では、高脂血症治療薬として2012 年9 月に承認されました。
オメガ3脂肪酸とは
脂肪酸はグリセロールに炭素鎖(たくさんの炭素がつながったもの)がくっついた構造をしています。すべての炭素には水素がくっついています。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸とは、すべての炭素に水素が2個ずつくっついているもののことです。水素がいっぱいにくっついている、つまり水素が飽和状態のものを飽和脂肪酸を呼んでいます。
不飽和脂肪酸
オレイン酸は、グリセロールから数えて18番目の炭素の部分で水素が外れたものです。
リノール酸は、さらに6番目の炭素の部分からも水素が外れたものです。
α―リノレン酸は、さらに3番目の炭素の部分からも水素が外れたものです。
これらは、飽和脂肪酸から水素が減ったもので、水素が飽和状態になっていないので不飽和脂肪酸といいます。
オメガ3脂肪酸
α―リノレン酸を摂取すると、体の中で別の脂肪酸に変換されます。EPA(エイコサペンタエン酸)、DHAドコサヘキサエン酸に変換されます。これらは、3番目の炭素から水素が外れていることに変わりはありません。3番目の炭素から水素が外れた脂肪酸をまとめてオメガ3脂肪酸と呼びます。
飽和脂肪酸
↓
オレイン酸
↓
リノール酸
↓
α―リノレン酸→EPA→DHA
ロトリガとは
ロトリガの有効成分は高濃度のオメガ−3脂肪酸です。オメガ−3脂肪酸のうちの2種類、EPAとDHAを含有しています。ロトリガは、トリグリセリド(中性脂肪)を低下させます。
トリグリセリドの合成を抑制
ロトリガは、肝臓でトリグリセリド(中性脂肪)をつくっている酵素の邪魔をします。その結果、血液中のトリグリセリドの量が減ります。
脂肪酸の代謝を高める
ロトリガは、トリグリセリドの原料の脂肪酸を減らします。トリグリセリドは、肝臓で脂肪酸をもとにつくられます。ロトリガは脂肪酸の代謝を高めます。具体的には、脂肪酸のβ酸化を高めてクエン酸回路に送られるようにします。こうして、脂肪酸を燃焼していきます。
LPLを活性化する
肝臓では、トリグリセリドはコレステロールと一緒になってVLDLとなって血流に乗ります。VLDLはLPL(リポタンパクリパーゼ)によって壊されて、筋肉などでエネルギーとして利用されていきます。ロトリガは、LPL(リポタンパクリパーゼ)を活性化しVLDLが壊されるのを助けます。
コレステロールエステル転送蛋白(CEPT)を減らす
コレステロールエステル転送蛋白(CEPT)は、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールを増やし、動脈硬化を防ぐHDLコレステロールを減らす働きがあります。ロトリガは、CEPTを減らすことで、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす効果があります。
まとめ
・α―リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHAドコサヘキサエン酸のことを、まとめてオメガ3脂肪酸といいます。
・ロトリガの有効成分は高濃度のオメガ−3脂肪酸で、トリグリセリド(中性脂肪)を低下させる作用があります。
オメガ脂肪酸のサプリメント
DHAとEPAを配合したサプリメントもあります。
参考資料:ロトリガ粒状カプセルインタビューフォーム