ザイザル錠5mgは半錠に分割した際には、自家製剤加算を取れました。ところが、ザイザルOD錠2.5mgが発売されることになり、自家製剤加算は取れなくなります。
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ザイザル錠の小児用量は2.5㎎
ザイザル錠5㎎は小児に対して、半錠の処方が出ることがあります。
実際、添付文書の用法用量の欄に、小児に対する用法の項があります。
〔小児〕
通常、7 歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩
として1 回2.5mgを1 日2 回、朝食後及び就寝前に経口投
与する。
この用法によると、小児に対しては1回2.5mgを使用する必要があります。
つまり、5㎎錠0.5錠です。
半錠にすることを想定した用法というわけです。
腎機能低下患者も1回2.5㎎となっている
そもそも、ザイザルは重度の腎障害患者に禁忌となっています。
添付文書の外国人のデータでは、
腎機能正常者に比べ、腎機能低下者では、レボセチリジン塩酸塩のAUC0-∞は約1.8~5.7倍増加し、t1/2は約1.4~3.9倍に延長しています。
つまり、腎機能の低下で、血中濃度が増加します。
そのため、腎機能が低下した患者に投与する場合は、用量を調節する必要があります。
用法・用量に関連する使用上の注意の記載が以下の通り
腎障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、クレアチニンクリアランスに応じて、下表のとおり投与量の調節が必要である(「薬物動態」の項参照)。
なお、クレアチニンクリアランスが10mL/min未満の患者への投与は禁忌である。
成人患者の腎機能に対応する用法・用量の目安(外国人データ)クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧80 50~79 30~49 10~29推奨用量5 mgを1 日に1 回2 . 5mg を1 日に1 回2 . 5mg を2 日に1 回2.5mgを週に2 回( 3 ~ 4 日に1 回)腎障害を有する小児患者では、各患者の腎クリアランスと体重を考慮して、個別に用量を調整すること。
重度の腎機能低下の場合は禁忌ですが、そうでない場合は、クレアチニンクリアランスに応じて微調節するという事です。
僕はそこまでして、ザイザルを服用する患者さんに遭遇したことはありません。
でも、院内調剤ではそういうケースがあるんでしょうか。
ザイザル錠5㎎は半錠で使用することを想定した薬
このように、小児や腎機能低下患者には2.5㎎を使用する必要があります。でも、ザイザルには2.5㎎錠はありませんでした。明らかに5㎎錠を半錠に分割することを想定した薬でした。
では、ザイザル錠5㎎を半錠に分割すると自家製剤加算はとれるのでしょうか。
ザイザル錠5㎎を半錠に分割で自家製剤加算は取れた
錠剤を半錠にして、自家製剤加算の算定するには以下の要件を満たす必要があります。
- 錠剤に割線がある
- 分割した規格のものが既製品では存在しない
ザイザル錠5mgには割線があります。
この割線が、”割線模様”ではないことも確認する必要があります。
添付文書には以下の記載があります。
本剤は、白色の両面に割線のある楕円形のフィルムコーティング錠であり、識別コード及び形状は下記のとおりである。
「割線のある」とはっきり記載されています。
なので、ザイザル錠5㎎にある”割線”は”割線模様”ではなく、正真正銘の”割線”です。
また、2.5㎎錠という規格も存在しませんでした。
ザイザルOD錠2.5㎎の発売
ザイザルOD錠2.5mgが発売されることになり、ザイザル錠5㎎を半錠にしても自家製剤加算は取れなくなります。
今後は、ザイザル錠5mgは半錠に分割しても自家製剤加算を取れなくなります。
まとめ
ザイザル錠5mgは半錠に分割した際には、自家製剤加算を取れました。ところが、ザイザルOD錠2.5mgが発売されることになり、ザイザル錠5㎎を半錠に分割しても自家製剤加算は取れなくなります。
*ザイザルOD錠2.5mgが発売されることになったため、2020年2月に記事の内容を更新しています。