モビコールは、海外では以前から使用されていいる薬です。
日本でも、腸管洗浄のために使用されてきた薬です。
モビコールの成分
モビコールの成分は、マクロゴールと電解質です。
添付文書の記載はこちら↓
成 分 1 包(6.8523g)中
マクロゴール4000 6.5625g
塩化ナトリウム 0.1754g
炭酸水素ナトリウム 0.0893g
塩化カリウム 0.0251g
マクロゴールが主成分として効果を発揮します。
マクロゴールは、軟膏の基材としても使用されている成分です。
水分を保つ作用があり、それにより便中の水分量が増えます。
腸からの水分の吸収を減らすということです。
それにより、便の水分量が増えるとともに便自体の量も増えます。
便の量が増えるので、自然と腸の動きを活発化します。
その結果、水分が保たれた柔らかい便が排泄されます。
ポイント
- 水分保持
- 便の軟化・増大
- 腸の運動活発化
- 便の軟化
電解質も配合されているということは?
ナトリウムなど電解質が配合されています。
水分吸収が抑えられることによる電解質のバランスを保つため、ということです。
あれ?でも大抵の日本人は塩分摂りすぎなんだから良くない?と思うのは私だけじゃないはずです。
ナトリウムの吸収を抑えるのなら、高血圧治療薬として応用できないのでしょうか。
でも電解質はナトリウムだけじゃないし、低血圧の人も服用しますから、やっぱり必要なのでしょうね。
そもそも、これは高血圧じゃなくて、便秘の薬です。
飲み方は?
【用法及び用量】は以下の通り↓
本剤は、水で溶解して経口投与する。
通 常、 2 歳 以 上 7 歳 未 満 の 幼 児 に は 初 回 用 量 と し て1 回 1 包を 1 日 1 回経口投与する。以降、症状に応じて適 宜 増 減 し、 1 日 1 ~ 3 回 経 口 投 与、 最 大 投 与 量 は1 日量として 4 包まで( 1 回量として 2 包まで)とする。
ただし、増量は 2 日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1 日量として 1 包までとする。通 常、 7 歳 以 上12歳 未 満 の 小 児 に は 初 回 用 量 と し て1 回 2 包を 1 日 1 回経口投与する。以降、症状に応じて適 宜 増 減 し、 1 日 1 ~ 3 回 経 口 投 与、 最 大 投 与 量 は1 日量として 4 包まで( 1 回量として 2 包まで)とする。
ただし、増量は 2 日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1 日量として 1 包までとする。通常、成人及び12歳以上の小児には初回用量として1 回 2 包を 1 日 1 回経口投与する。以降、症状に応じて
適 宜 増 減 し、 1 日 1 ~ 3 回 経 口 投 与、 最 大 投 与 量 は1 日量として 6 包まで( 1 回量として 4 包まで)とする。
ただし、増量は 2 日以上の間隔をあけて行い、増量幅は
1 日量として 2 包までとする。
長いですね。
特に用量を読み解くのが大変です。
用量のポイント
- 幼児は1回1包で、1回量のMAXは2包、1日量のMAXは4包
- 小学生は1回2包で1回量のMAXは2包、1日量のMAXは4包
- 大人は1回2包で1回量のMAXは4包、1日量のMAXは6包
用法のポイント
水に溶かして服用します。
水以外にも、冷たいジュースなどに溶かしてもOKです。
水じゃなくてもいいっていうのは良い点ですが、毎回溶かして飲むのは大変そうですね。
副作用は
モビコールの便の水分を増やすという作用は、酸化マグネシウムと似ています。
酸化マグネシウムと異なるのは、マクロゴール自体は腸から吸収されないという点です。
高分子化合物、つまり分子が大きいので腸の膜を通過しないのです。
そのため、目立った副作用は見当たりません。
便秘薬なので、効き過ぎて下痢になることはあるので、そこは注意が必要です。
アナフィラキシーショックという激しいアレルギー反応の記載がありますが、これはどんな薬でも起こりうることです。
禁忌
禁忌の欄には、炎症性腸閉塞など腸疾患が挙げられています。
炎症性腸疾患の方は基本的に使用できません。
まとめ
- モビコールは、便の水分量を増やす薬です。
- 用量に注意が必要です。
- 水以外に、冷たいジュースでも服用可能です。
- 腸管から吸収されないので、副作用は少ないです。
- 炎症性腸疾患の方は禁忌です。