止血とは
止血には大きく分けて二つの過程があり、それぞれ一次止血、二次止血といいます。
一次止血
一次止血のポイントは血小板です。
血管が破れると、血小板が集まってきます。そして、血小板同士がつながって血栓を作り、傷口をふさぎます。
この血栓を血小板血栓と呼びます。
二次止血
二次止血の要は血液凝固因子です。
血液凝固因子は全部で12種類あり、それぞれが関係しあって最終的にフィブリンをつくります。
フィブリンは膜をつくって、一次止血でできた血小板血栓を覆います。
このようにして、血栓を覆い固めていきます。
Ⅰ(1)~ⅩⅢ(13)まである血液凝固因子
血液凝固因子は1から13まであります。血液凝固因子Ⅰ、血液凝固因子Ⅱ・・・のように、ローマ数字で名前が付けられています。Ⅵ(6)だけが欠番になっていて、全部で12種類の血液凝固因子があります。4はカルシウムイオンですが、その他はタンパク質です。
最終的には、血液凝固因子Ⅰ=フィブリノーゲンがフィブリンに変換され、フィブリンが血小板血栓を覆い固めて二次止血が完了します。
(血液凝固因子Ⅰはフィブリノーゲンです。)
FⅩa阻害薬とは
血液凝固因子を阻害する薬としてFⅩa阻害薬があります。FⅩa阻害薬には、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなどがあります。
FⅩa阻害薬は血液凝固因子の一連の反応を途中で邪魔する薬です。
FⅩaとは血液凝固因子Ⅹ(10)のことで、FⅩa阻害薬は、血液固因子Ⅹ(10)の邪魔をします。
血液凝固因子Ⅹは、プロトロンビンをトロンビンに変換しする働きがあります。
FⅩa阻害薬は、血液凝固因子Ⅹを阻害することで、その先の反応を抑えてフィブリンがつくられる量を減らします。 このようにして、血栓がつくられるのを邪魔することで、脳梗塞や心筋梗塞を予防します。
まとめ
・止血には一次止血、二次止血があります。
・一次止血は、血小板が集まりつながり、血小板血栓をつくることで起こります。
・二次止血は、12種類の血液凝固因子の一連の反応によってできたフィブリンが血小板血栓を覆い固めることで起こります。
・FⅩa阻害薬は、血液凝固因子Ⅹを阻害することで、その先の反応を抑えてフィブリンがつくられる量を減らします。
・FⅩa阻害薬には、イグザレレルト、エリキュース、、リクシアナなどがあります。