乾癬の原因ははっきり分かっていません。環境要因、遺伝要因があると言われています。
最も多いのが尋常性乾癬で、フケのようなものが剥がれ落ちたりする皮膚の症状が出たり、爪に症状が出たりします。
次に多いのが乾癬性関節炎(関節症性乾癬)で、関節の腫れやこわばりなどが出ます。
その他に、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬があります。
治療薬には、炎症を抑える塗り薬や、免疫を抑える飲み薬などがあります。
この記事では、乾癬の特徴と治療薬をまとめています。
乾癬とは
乾癬は、「炎症性の皮疹やかゆみを伴う全身性の疾患」と定義されます。
体内の免疫バランスが崩れることによって起こると考えられています。
免疫バランスの異常によって、皮膚の代謝が健康な人と比べて約10分は速くなっていることがわかっています。
乾癬の原因
原因ははっきりとは分かっていませんが、遺伝的要因と環境的要因が発症に関係していると考えられています。
乾癬には、ホスホジエステラーゼ4(PDE4) という酵素が過剰にできてしまい、炎症を引き起こす物質が多くなっていることが関係しています。
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乾癬の分類
乾癬は、尋常性乾癬、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬に分類されます。
尋常性乾癬
乾癬の患者さんの70~80%が尋常性乾癬です。(尋常とは普通と言う意味です。)
症状
皮膚が赤くなる、皮膚が盛り上がる、銀白色のフケのようなものが付着しはがれ落ちるなどの症状がみられます。
外部からの刺激を受けやすい部位でよく起こります。
患者さんの40~80%は爪にも乾癬の症状が見られます。
爪の先端が浮き上がって白く見えたり、爪の表面に凹凸ができたりします。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)
乾癬の患者さんのうち約15%で、乾癬性関節炎が生じます。
手足の関節や、首から背骨、アキレス腱、足のうらなどに痛みや、腫れ、こわばりが生じます。
滴状乾癬
乾癬の患者さんのうち約4%で、滴状乾癬が生じます。
直径0.5~2cmほどの小さな嚢胞疹が全身に現れます。
風邪などの感染症がきっかけで起こることがあります。
乾癬性紅皮症
乾癬の患者さんのうち約1%で生じます。
尋常性乾癬が全身に広がり、全身の90%以上の皮膚に症状が現れた状態です。
皮膚が赤みを帯び、銀白色のフケのようなものがはがれ落ちます。
膿疱性乾癬
発熱や皮膚の赤みとともに、膿の入った球状の袋(膿庖)が現れます。
膿庖には細菌がいないため、他の人にうつることはありません。
膿疱性乾癬には限局型と、汎発性があります。
限局型嚢胞性乾癬
手のひらや足のうら、指先など一部だけに発疹が現れます。
汎発性膿疱性乾癬
臥床頻度は稀です。
希少難治性疾患(指定難病)に指定されています。
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乾癬の治療
乾癬の治療には、外用薬による治療、光線療法、内服薬の治療、生物学的製剤による治療があります。
外用薬
ステロイド
炎症を抑え、免疫を抑える働きがあります。
活性型ビタミンD3製剤
皮膚の過剰の細胞増殖を抑えて、炎症を抑えます。
内服薬
チガソン(エトレチナート)
ビタミンAと類似した化学構造をもつレチノイドという物質の一つです。
皮膚や粘膜を正常に保つ作用などにより乾癬の症状を改善します。
ネオーラル(シクロスポリン)
免疫抑制剤です。
免疫細胞に作用して、過剰な免疫反応を抑えます。
オテズラ(アプレミラスト)
ホスホジエステラーゼ4(PDE4) 阻害剤です。
PDE4という酵素の働きを抑えることで、免疫バランスの乱れを調整し、炎症を抑えます。
オテズラについて詳しくはこちらをご覧ください↓
https://kusuri-info.work/archives/4514
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生物学的製剤
免疫に関係する特定の物質を標的にした薬です。
免疫を抑える作用があります。
点滴または注射剤です。
まとめ
・乾癬は、「炎症性の皮疹やかゆみを伴う全身性の疾患」と定義されます。
・原因ははっきりとは分かっていませんが、遺伝的要因と環境的要因が発症に関係していると考えられています。
・乾癬は、尋常性乾癬、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬に分類されます。
・乾癬の治療には、外用薬による治療、光線療法、内服薬の治療、生物学的製剤による治療があります。
参考資料:セルジーン株式会社ホームページ、マルホホームページ