強力ポステリザンは、病院で処方される痔の薬です。大腸菌死浮遊液とステロイド剤が配合されています。
この記事では、強力ポステリザンの使い方と作用について解説します。
痔の薬の種類
痔は、直腸や肛門に炎症ができている状態です。硬い便によって患部が傷つき、炎症はさらに治りにくくなってしまいます。
痔には、痔核や裂肛などがあります。
痔核とは、肛門の内部や周囲の血流が悪くなり腫れる状態のことです。
裂肛とは、肛門の出口付近の皮膚が切れたり裂けたりする状態のことです。
痔の治療薬には、炎症を抑える薬、傷の治りを良くする薬、痛みを抑える薬などが使われます。
強力ポステリザンの作用と使い方
強力ポステリザンは、大腸菌死浮遊液とヒドロコルチゾンの配合剤です。抗炎症作用と、治癒を促進する作用があります。通常は、1日1〜3回適量を患部に塗布するか肛門に注入します。塗布することも注入することもできる容器になっています。
大腸菌死浮遊液
大腸菌死浮遊液は、大腸菌の死骸です。患部に大腸菌の死骸を塗布することで、白血球が集まってきます。それにより、患部を悪化させる大腸菌に対する抵抗力が高まります。白血球の働きが高まることで、感染を防ぎ、治癒を促進する作用があります。
ヒドロコルチゾン
ヒドロコルチゾンは、5段階中4のベリーストロングの強さのステロイド剤です。ヒドロコルチゾンは血管透過性亢進抑制、熱炎症抑制、浮腫抑制等の抗炎症作用があります。患部の腫れなどの炎症を抑える働きがあります。
副作用は?
”大腸菌死浮遊液”という言葉に不安を感じる方がいるかもしれません。でも、これはあくまでも大腸菌の死骸ですので、”感染する”ような心配はありません。副作用として報告されているのは、感染症ではなく塗布した場所のかゆみなどの症状です。
副作用の報告は0.43%となっています。1632例中7例です。副作用の主なものは、そう痒感2件(0.12%)、便意1件(0.06%)、適用部位不快感1件(0.06%)等となっています。
また、ステロイド剤を配合しているため、感染症の疑いがある場合には使用できません。
まとめ
・痔は、直腸や肛門に炎症ができた状態です。硬い便によって患部が傷つき、炎症がさらに悪化することがあります。
・強力ポステリザンには、大腸菌死浮遊液とステロイド剤が配合されていて、抗炎症作用と、治癒を促進する作用があります。
参考資料:強力ポステリザン軟膏添付文書、インタビューフォーム