GABAは神経伝達物質としての働きを持つアミノ酸です。神経の興奮を抑えて体をリラックスさせます。この記事では、健康食品やサプリメントにもなっているGABAについて紹介します。
GABAの摂取で睡眠の質の向上効果が認められた、という報告があります。
GABAはノルアドレナリンの分泌を抑えることで血圧を下げます。
GABAとは
GABAは神経伝達物質としての働きを持つアミノ酸です。γー網の酪酸の頭文字からGABA(ギャバ)と呼ばれています。神経伝達物質と言っても、神経の興奮を抑える働きをします。神経のシナプスには、GABAがくっつくGABA受容体があります。GABA受容体にGABAがくっつくと、神経の興奮は抑えられます。GABAは神経の興奮を抑えて、体をリラックスさせる効果があります。
GABAをたくさん摂取すればよく眠れそうな感じがしますね。でも、そう単純ではありません。GABAを摂取しても、ほとんど脳に影響しません。脳には血液脳関門というバリアがありますが、GABAは血液脳関門を通過できません。つまり、GABAを摂取にしても脳には入っていけません。
睡眠への影響は?
GABAは脳に入っていきませんが、睡眠への影響がないわけではありません。GABAはリラックス効果があるという報告があります。100㎎のGABAを含んだ食品はGABAを含まない食品と比較して深い睡眠の増加、起床時の気分の向上といった睡眠の質の向上効果が認められた、という報告があります。
脳に入っていかないGABAが、なぜ睡眠に影響するのかは不明です。それでも、上記の報告があることを根拠に、ネルノダなどの機能性表示食品は「睡眠の質の向上に役立つ機能がある」として販売されています。
機能性表示食品は、企業の責任において機能性を表示した食品です。安全性と機能性の根拠を消費者庁長官へ届け出ます。個別の許可を出す特定保健用食品(トクホ)とは異なります。
血圧への影響は?
GABAは、交感神経の末端に働いてノルアドレナリンの分泌を抑えます。ノルアドレナリンは血管を収縮させて血圧を上げますが、GABAによってノルアドレナリンが減ると血圧は下がることになります。長期間GABAを摂取してノルアドレナリンの働きを抑えると、レニンという物質が減ります。レニンが減るとナトリウムが排泄されるようになるので、血圧は低下します。このように、GABAには血圧への短期的な作用と長期的な作用があります。
まとめ
GABAは神経伝達物質としての働きを持つアミノ酸です。神経の興奮を抑える働きをします。
GABAの摂取で睡眠の質の向上効果が認められた、という報告があります。
GABAはノルアドレナリンの分泌を抑えることで血圧を下げます。