眼科

【副作用】緑内障治療薬チモロール点眼液の全身作用

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全身作用が現れることがある

チモロールを含有する点眼薬には目のみならず、全身作用としての副作用が発現することがある。

チモロールはβ遮断薬に分類される。β受容体は気管支や心臓にも存在している。
チモロールに限らず点眼された目薬は、鼻涙管を通り喉に落ちて、最終的に消化管から吸収される。そして、血流に乗って全身を巡ることになる。
そして、特にチモロールはβ遮断薬という性質上、心臓や気管支にも作用を及ぼしてしまう。

 

心臓への作用

心臓にはβ1受容体と呼ばれる、アドレナリン受容体がある。β1受容体にアドレナリンが結合すると、心拍数が上昇するなど心機能を亢進する。チモロールはβ1受容体を遮断することで、アドレナリンの働きを妨げることになる。
その結果、心臓の機能を低下させ、心不全や不整脈などを引き起こすことがある。

気管支への作用

気管支にはβ2受容体と呼ばれる、アドレナリン受容体がある。気管支のβ2受容体にアドレナリンが結合すると、気管支が拡張する。チモロールはβ2受容体も遮断する。その結果、アドレナリンとは逆の作用が働き、気管支が収縮してしまう。その結果、咳や息苦しさなどが生じたり、喘息発作を起こすことがある。

 

禁忌に記載がある

そのため、チモプトール点眼薬の添付文書の禁忌に以下の記載がある

〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
1)    気管支喘息、又はその既往歴のある患者、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。]
2) コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、心原性ショックのある患者[β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、これらの症状を増悪させるおそれがある。]
3) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

 

チモロールを含有する目薬

チモロールを含有する目薬には以下のものがある

  • チモプトール点眼液
  • コソプト配合点眼液
  • タプコム配合点眼液
  • デュオトラバ配合点眼液
  • チモロールを配合する点眼薬を使用している患者さんには、気管支喘息や心疾患の既往歴を確認する必要がある。

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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