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ルパフィンの作用と眠気の副作用

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ルパフィンは、2017年に承認された比較的新しい薬として知られています。
ところが、実際には海外では2001年から使用されている薬です。

特徴は抗ヒスタミン作用と抗PAF作用を持っているという点です。

 



 

ルパフィンの抗ヒスタミン作用

ルパフィンは第二世代抗ヒスタミン薬に分類されます。

“第二世代“と呼ばれるのは、当然のことながら従来の抗ヒスタミン薬と分けるためです。

第二世代抗ヒスタミン薬は、眠気や口が渇くなどの副作用が軽減されています。

 

抗ヒスタミン作用とは、ヒスタミンの働きを邪魔する作用という意味です。

花粉などのアレルギーを引き起こす物質(抗原)が体に侵入すると、免疫が反応します。

このとき、肥満細胞という免疫細胞からヒスタミンが放出されます。

ヒスタミンは、ヒスタミン受容体にくっついてアレルギー症状を引き起こします。

鼻ではくしゃみや鼻水、目ではかゆみや充血を引き起こします。

 

 



 

抗ヒスタミン薬は、椅子取りゲームのように受容体にくっついてヒスタミンの邪魔をします。

そのため、ヒスタミンによるアレルギー反応が抑えられます。

 

 



 

抗PAF作用

PAFとは、血小板活性化因子(platelet-activating factor)の略です。

体の中で、細胞から細胞へと情報を伝える物質(ケミカルメディエーター)の一種です。

PAFは、血管拡張や血管透過性の亢進、知覚神経刺激、白血球の活性化を引き起こします。

そのため、鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状を引き起こします。

 

PAFの血管拡張や血管透過性亢進作用とは

PAFには、毛細血管が広げて、血流量が増やす働きがあります。(血管拡張)

また、血液の水分などが漏れ出します。(血管透過性亢進)

血流が増えると共に、水分がまわりの細胞に漏れ出て、むくみが生じます。

そのため、鼻では粘膜が腫れて鼻づまりになります。

 

PAFによる知覚神経刺激とは

知覚神経が刺激されることで、「かゆみ」や「 くしゃみ」が生じてしまいます。

 

PAFによる白血球の活性化とは

白血球にはいくつかの種類があります。

白血球の中でも、好酸球や好塩基球はアレルギー反応に関わります。

好酸球や好塩基球が活性化されて、アレルギー反応も起こりやすくなるのです。

 

ルパフィンの抗PAF作用

ルパフィンは抗PAF作用も持っているのが特徴です。

上に挙げたような、PAFの働きを邪魔することでアレルギー症状を抑えます。

 



 

ルパフィンはデザレックスになる?

ルパフィンの主成分であるルパタジンは体の中で、デザレックスの成分であるデスロラタジンに変換されます。

 

ルパタジンは服用後約1時間で、血中濃度が高くなります。(最高血中濃度Cmax)

ルパタジンは服用後約6時間で、血液中の量は半分になります。(半減期t1/2)

→ルパタジンは1時間後に効き始めて、しばらく持続するということです。

 

 

服用後約2時間で、今度はデスロラタジンの血中濃度が高くなります。(最高血中濃度Cmax)

デスロラタジンの半減期は約20時間です。
デスロラタジンは、血液中に長く留まります。

→2時間後にはデスロラタジンも効き始めて、ルパタジンよりも長く効くということです。

結果として、ルパタジンとデスロラタジンの両方が血中に留まる形になります。

ルパフィンーインタビューフォームより

 



ルパタジンの持つ抗ヒスタミン作用と抗PAF作用、デスロラタジンの持つ抗ヒスタミン作用が合わさってアレルギー症状を抑えると考えられます。

 

 

眠気が出やすい?

ルパフィンの添付文書には、眠気に関する注意事項の記載があります。

添付文書の記載は以下の通り。

重要な基本的注意(抜粋)
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。

 

ちなみに、デザレックスや、デスロラタジンに変化するクラリチンには、このような注意事項はありません。

 

この違いは何でしょうか。

 

その理由は、眠気の発現頻度の違いにありそうです。

それぞれの眠気の頻度は以下の通りです。
クラリチン:6.4%
デザレックス:1.0%
ルパフィン:9.3%

ルパフィンの眠気の頻度が9.3%と高めになっています。

 

デスロラタジンの眠気の頻度は少ないので、ルパタジンが眠気の原因になっていると推測されます。

 

眠気の頻度が高めなため、運転などに関する注意事項があるようです。

 



 

まとめ

・ルパフィンは、抗ヒスタミン作用と抗PAF作用を持つ抗アレルギー薬です。

・抗ヒスタミン作用とは、椅子取りゲームのようにヒスタミン受容体をふさいで、ヒスタミンの邪魔をする作用のことです。

・PAFとは、細胞から細胞へと情報を伝える物質の一種です。

・PAFは、血管拡張や血管透過性の亢進、知覚神経刺激、白血球の活性化を引き起こします。

・ルパフィンの成分ルパタジンは、体の中でデザレックスの成分デスロラタジンに変化します。

・ルパフィンはクラリチンやデザレックスよりも、眠気の頻度が高い薬です。

 

 

参考資料:日経DI2017.11.3、添付文書、インタビューフォーム