【リウマチ】オルミエントの作用機序-ヤヌスキナーゼ(JAK)とは

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オルミエント錠は、ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きを邪魔する薬です。

1日1回の内服で関節リウマチの症状を改善します。

効能効果は、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」となっています。

過去の治療で、メトトレキサートなど少なくとも1つのリウマチの薬を使用しても、明らかな症状が残ってしまった場合に使用します。

 

ヤヌスキナーゼとは

ヤヌスキナーゼはJAKと略されます。

JAKは、細胞膜にある受容体にくっついていて、受容体から細胞の核へのシグナル伝達を仲介する働きがあります。

 

受容体は細胞膜を貫通する形になっていますが、ヤヌスキナーゼ(JAK)受容体の内側にくっついています。

 

・受容体にサイトカインがくっつくとJAKが活性化されます

受容体にサイトカイン(情報を伝達する物質)がくっつくと、JAKが活性化されます。

JAKの活性化は、リン酸がくっつくことで起こります。

 

・STATが活性化されます

JAKが活性化されると、細胞の中にあるSTATという物質を活性化します。

STATの活性化もリン酸がくっつくことで起こります。

 

・STATが遺伝子に作用します

活性化されたSTATは細胞の核に移動し、細胞の核の中にある遺伝子に作用します。

 

ヤヌスキナーゼ(JAK)の種類

ヤヌスキナーゼ(JAK)には、JAK1、JAK2、JAK3、TYK24つの種類があります。

 

体の中には、様々なサイトカイン(情報伝達に関係する物質)が存在しています。

サイトカインの種類によって、関係するヤヌスキナーゼ(JAK)は異なります。

 

関節リウマチに関係する炎症性サイトカイン(情報伝達する物質)には、インターロイキン(IL)-6顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)インターフェロンなどがあります。

インターロイキン(IL-6)には、JAK1、JAK2が関係しています。

マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)には、JAK2、JAK3が関係しています。

インターフェロンには、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2が関係しています。

 

 

 

ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害する

オルミエントは、JAK1、JAK2の働きを邪魔することで、炎症作用の活性化、免疫細胞の増殖を抑制します。

 

オルミエントの成分-バリシチニブJAK1とJAK2にくっついて、その働きを邪魔します。

 

 

そうするとインターロイキン等が受容体にくっついても、JAKが働かないため、STATが活性化されなくなります。

そのため、遺伝子へのシグナル伝達が行われなくなります。

 

特に、サイトカインの一種であるインターロイキン(IL)-6によるSTATの活性化が邪魔されることが確認されています。

 

まとめ

・オルミエント錠は、ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きを邪魔する薬です。

・リウマチの中でも、メトトレキサートなどを使用しても明らかな症状が残る場合に使用します。

・JAKは、細胞膜にある受容体にくっついていて、受容体から細胞の核へとシグナルを伝達する働きがあります。

・オルミエントの成分-バリシチニブはJAK1とJAK2にくっついて、その働きを邪魔します。

 

参考資料:オルミエント添付文書、インタビューフォーム、Jpn.J.Immunol.,32(2)85~91(2009)