加熱すると肉は固くなります。
肉が固くなる原因は、タンパク質の変性と結合組織の収縮です。
タンパク質の変性
肉にはたんぱく質が多く含まれています。タンパク質はたくさんのアミノ酸がつながった構造をしています。長くつながったアミノ酸は、直線状にまっすぐつながっているのではありません。立体的な形になり、すき間のある構造になります。(立体構造)
タンパク質は熱を加えると、変性が起こります。タンパク質が変性すると、立体構造が壊れて細長い状態になります。するとタンパク質のすき間に入り込んでいた水分が押し出され、肉は固くなっていきます。
結合組織の収縮
熱を加えると,筋肉と筋肉の間にある結合組織が縮んでしまいます。これは、結合組織のなかのタンパク質が収縮してしまうためです。結合組織が縮んでしまうために、水分が流れ出してしまい肉が固くなります。
アルコールの作用
肉をお酒に漬け込むなどすると、肉は柔らかく仕上がります。お酒の含まれるアルコールにはヒドロキシ基(-OH基)があります。ヒドロキシ基がタンパク質が凝集するのを邪魔すると考えられています。そのために、タンパク質の網目構造が保たれて、水分を保ちやすくなり柔らかく仕上がります。お酒を加えて煮たり、蒸したり、漬け込んだりしてから焼くと柔らかく仕上がるのはそのためです。
まとめ
・肉が固くなる原因は、タンパク質の変性と結合組織の収縮です。
・アルコールを加えると、タンパク質の網目構造が保たれて、水分を保ちやすくなり柔らかく仕上がります。
参考資料:¥加熱による食肉の変化ー公益社団法人熊本県畜産協会、醸造協会誌第105巻第7号、肉のかたさを 科学的に考えてみよう! - 北海道食文化研究会