アナフィラキシーと、アレルギー反応が全身に出て、命の危険がある状態です。
その中でも、「血圧低下や意識障害を伴う場合」のことをアナフィラキシーショックといいます。
この記事では、アナフィラキシーショックの原因と、救急車が来るまでの初期対応をまとめています。
アナフィラキシーとは
アナフィラキシーの定義は以下の通りです。
「アレルゲンの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」
アレルギー反応のうち、全身に症状が出て、命の危険があるもののことです。
皮膚の発疹、唇や下など粘膜の腫れ、呼吸困難、血圧低下、腹部の痛み、嘔吐など様々なアレルギー症状が現れます。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーのうち、「血圧低下や意識障害を伴う場合」のことをアナフィラキシーショックといいます。
発症機序
ほとんどは、特異的IgE抗体が関与する即時反応です。IgE抗体が抗原にくっつくことで、肥満細胞という免疫細胞からヒスタミンなどが放出されることによって起こります。一方、IgE抗体が関与しないものも、アナフィラキシーに分類されています。造影剤やNSAIDsなど、ある種の薬剤は、IgEが関与する機序と、IgEが関与しない機序の両方でアナフィラキシーになります。
アナフィラキシーの初期対応
ガイドラインでは以下の8つのステップが挙げられています。少なくとも④までは、救急車が来るまでの間に誰にでもできると思われます。
① バイタルサインのチェック
脈拍や呼吸、意識状態などを確認します。
② 助けを呼ぶ
救急車を呼びます。
③ アドレナリンの筋肉注射
エピペン注射液を投与します。エピペン注射液については、以下の記事をご覧ください。
④ 患者を仰臥位にならせる
急に体位を変えることせず、仰向けに横にならせます。おう吐をしている場合は、顔を横向きにします。足を高くする必要があるので、足を軽く曲げさせ、台に載せるなどします。
⑤ 酸素投与
フェイスマスクなどで酸素投与します。
⑥ 静脈ルートの確保
必要に応じて生理食塩水を投与します。
⑦ 心肺蘇生
必要に応じて胸部圧迫で心肺蘇生を行います。
⑧ バイタル測定
頻回に血圧、脈拍、呼吸状態をチェックします。
まとめ
・アナフィラキシーとは、アレルギー反応のうち、全身に症状が出て、命の危険があるもののことです。「血圧低下や意識障害を伴う場合」のことをアナフィラキシーショックといいます。
・アナフィラキシーの多くはIgE抗体が関与する即時反応ですが、IgEが関与しないものも、アナフィラキシーに分類されています。
・救急車が来るまでの初期対応、エピペン注の使用法を覚えておきましょう。
参考資料:アナフィラキシーガイドライン-一般社団法人日本アレルギー学会
*アナフィラキシー発症時の対応に際しては、医療機関で直接指導を受けて下さい。