前立腺肥大の患者さんが来局されました。処方内容は以下の通り。
タムスロシン
フラボキサート
エビプロスタットBD
前立腺肥大の勉強を久しぶりにしてみます。
ざっくりと排尿障害薬の分類を。
排尿障害治療薬の分類
抗男性ホルモン薬(抗アンドロゲン薬)
プロスタールとか
男性ホルモンの作用を抑えて前立腺を小さくする
抗コリン薬
ベシケア、バップフォーとか
膀胱の収縮を抑えておしっこを溜められるようにする
β3刺激薬
ベタニス
簡単に言うと、交感神経の働き。
膀胱を広げて、おしっこを溜められるようにする。
それと同時に、尿道を縮めておしっこを我慢できるようにする。
5α-還元酵素阻害薬
アボルブ
ジヒドロテストステロンを減らす。(5α-還元酵素はジヒドロテストステロンを作る酵素)
そのことで、前立腺を小さくする。
植物エキス、アミノ酸製剤
エビプロスタットとか
前立腺の炎症を抑えるなど、比較的緩和な作用。
α1遮断薬
ユリーフ、ハルナールとか
尿道のα1受容体を遮断すると前立腺が小さくなり、尿道が広がる。
先ほどの患者さんの症状は落ち着いているようでした
さっきの患者さんは、まずはタムスロシン(α1遮断薬)で排尿障害への作用を狙います。フラボキサートは上の分類には当てはまらない、古くからある頻尿の薬。膀胱を弛緩させて尿意が収まる。エビプロスタットは生薬の薬で前立腺の炎症を抑える。
こうやってみると、この患者さんの症状の程度は軽い感じがしますね。比較的緩和な作用の薬が処方されています。投薬の際も、排尿には問題ないと言っていました。