AGA(男性型脱毛症)の原因は
毛髪には成長期、退行期、休止期というサイクルがある
- 成長期は2~6年。この期間に髪の毛は伸びる。
- 退行期は約2週間。この期間に髪の成長が鈍る。
- 休止期は約3~4ヶ月。この期間は完全に成長が止まり、髪が抜け落ちる。
ジヒドロテストステロンがAGAに関係している
男性ホルモンのテストステロンが還元されたものが、ジヒドロテストステロンです。
テストステロンを還元する酵素が5α還元酵素(5αリダクターゼ)です。
5α還元酵素
テストステロン → ジヒドロテストステロン
有機化学や生化学が好きな方は化学式を書くんでしょうね。
こうしてできた、ジヒドロテストステロンが毛髪の元となる毛母細胞の働きを低下させてしまう作用があります。
ミノキシジルは毛母細胞に働きかける
ミノキシジルには血管拡張作用があり高血圧治療薬として開発されていました。しかし、多毛の副作用があることが明らかになったことから、AGA治療薬に応用されるようになりました。
血管を拡張させ血流を良くする作用がありますが、この作用により頭皮でも血流を良くすることが分かっています。
また、毛母細胞に直接働きかけて、細胞分裂を活性化し髪の成長を早めることが知られています。
ミノキシジルは一般用医薬品(OTC医薬品)として販売されています。
以下の商品名で販売されています。
- リアップ
- スカルプD メディカルミノキ5
- リグロEX
- ミノアップ
第一類医薬品なので、薬剤師による販売となっています。
リアップは1999年に大正製薬から発売されたが、2010年に特許が切れた。
スカルプD メディカルミノキ5は、2018年8月に発売された。
リグロEXは2018年11月17日に発売になったばかり。
フィナステリドはジヒドロテストステロンの生成を抑える
フィナステリドは処方箋医薬品(自費)に分類され、医師による処方が必要です。
販売名はプロペシアで、いくつかジェネリック医薬品もあります。
フィナステリドは5α還元酵素阻害薬です。ジヒドロテストステロンが生成されるのを阻害する薬です。ジヒドロテストステロンは毛母細胞の働きを低下させるホルモンです。
このジヒドロテストステロンの生成を防ぐことにより毛母細胞の働きを正常化させます。
前立腺肥大治療薬アボルブも5α還元酵素阻害薬
ジヒドロテストステロン、5α還元酵素阻害薬といえば、前立腺肥大にも関係があります。
前立腺はテストステロンやジヒドロテストステロンによって肥大化します。特にジヒドロテストステロンの作用は強いと言われています。
そして、このジヒドロテストステロンをターゲットにした前立腺肥大の薬がアボルブです。アボルブの成分デュタステリドも5α還元酵素阻害薬に分類されます。5α還元酵素を阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を阻害することにより、前立腺肥大を抑える作用があります。
フィナステリドと同じ作用です。ですから、アボルブもAGAに効果があります。
しかも、AGAへのアボルブの作用はフィナステリドより効果は高いようです。フィナステリドは5α還元酵素Ⅱ型のみに作用するのに対し、デュタステリドは5α還元酵素のⅠ型とⅡ型の両方に作用します。
でも、残念ながらアボルブはAGAの適応はない。ところが・・・
ザガーロはアボルブと同じ成分
実は、ザガーロはアボルブと同じ薬です。成分はアボルブと同じデュタステリドです。
アボルブは前立腺肥大の薬として承認されています。
一方、ザガーロはAGAの薬として承認されています。ザガーロは処方医薬品(自費)で、医師による処方が必要です。
まとめ
AGAの医薬品としては、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドが使用されています。
ミノキシジルは毛母細胞を活性化する作用があり、OTC薬(一類)で、リアップ、スカルプD メディカルミノキ5、リグロEXとして販売されています。
フィナステリドは5α還元酵素阻害薬で、ジヒドロテストステロンの生成を抑える作用があり、処方箋医薬品(自費)。プロペシアなど。
デュタステリドも、5α還元酵素阻害薬でアボルブとザガーロがある。
参考資料:https://www.hairmedical.com/minoxidil/