ADHD(注意欠陥・多動性障害)の有病率は小児5~6%程度、成人3~4%です。学校のクラスに一人、職場に一人いてもおかしくない計算になります。
大人になってから、仕事のミスなどが多いことなどに自分で気づいて受診することも多いそうです。
成人のADHD治療薬は二種類
日本で成人のADHD治療薬として承認されているのはメチルフェニデート徐放錠(コンサータ)とアトモキセチン(ストラテラ)のみです。成人のADHDには、この二つが第一選択薬となっています。このどちらかを選択して使用します。即効性を求める時は、コンサータを使用すのが一般的です。
コンサータの特徴
コンサータは、脳内のドパミンとノルアドレナリンを上昇させます。
それにより、多動、不注意などの症状を抑えます。
副作用としては、頭痛、食欲不振、動悸などがあります。
指定医のみ処方できる薬です。
ストラテラの特徴
ストラテラは、脳内のノルアドレナリンを上昇させます。
コンサータに比べて、効果が発現するまでに時間がかかります。
副作用は吐き気、口渇、頭痛などです。
薬物療法の必要ないことも
ADHDにはうつ症状などが合併することもあるので、そのような場合には抗うつ薬などが処方されることもあります。
一方、薬物療法の必要ない方も多くいます。
その場合、病気というよりその人の特性と考えることもできるのでしょう。認知行動療法などの、非薬物療法で生活が改善するケースも多いそうです。
確かに、病気とまでは行かないまでも、ADHDに当てはまる人は多くいる気がします。
まとめ
・コンサータは、脳内のドパミンとノルアドレナリンを上昇させることで、多動、不注意などの症状を抑えます。
・ストラテラは、脳内のノルアドレナリンを上昇させる薬で、コンサータより効果がでるまでに時間がかかります。
参考資料:Credentials2018年10月号