【副作用】メトホルミンによる乳酸アシドーシスー腎機能低下時に注意

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メトホルミンと腎機能

メトホルミンは、肝臓では代謝されず、ほとんどが未変化体のまま尿中に排泄されます。

そのため、腎機能が低下すると血中濃度が上昇することになります。

 

 

腎機能が低下している場合には十分に注意する必要があります。

では、どのように注意する必要があるのでしょうか。

 

推算糸球体濾過量(eGFR)が30未満は禁忌

腎機能の指標である推定糸球体濾過量に応じた対応をしていきます。

eGFRが30(mL/分/1.73m2)未満の場合は禁忌です。

eGFRが30の重度の腎機能障害の場合は、原則として使用できません。

 

 

腎機能が中等度以上の場合は、リスクとベネフィットを考慮して慎重投与することになっています。

 

 

腎機能に応じた用量

腎機能は中等度以上の場合の用量の目安が定められています。

 

eGFRが45~60の場合、1日量として1500mgが最高用量です。

eGFRが45~60の場合、1日量として750mgが最高用量です。

 

 

メトホルミンは糖新生を抑制する

そもそも、メトホルミンは主に肝臓での糖新生に作用して血糖値を低下させる薬です。

 

糖新生とは、体の中で乳酸やアミノ酸から糖がつくられる化学反応のことです。

メトホルミンは、糖新生を抑制することにより糖を減らす薬です。

では、メトホルミンが効きすぎるとどうなるのでしょうか?

 

 

メトホルミンによる乳酸アシドーシス

メトホルミンが効きすぎると、糖新生が進まなくなります。

 

つまり、乳酸が糖に変換されなくなります。

 

その結果、乳酸が増えていきます。

 

これが、乳酸アシドーシスという状態です。

乳酸が増えることによって血液が酸性になっているじょうたいです。

乳酸アシドーシスは、放置しておくと昏睡に至り、致死率は50%に上ります。
糖新生は肝臓で行われているため、肝機能低下時にも糖新生が低下し、乳酸アシドーシスになることがあります。

 

 

 

注意点

乳酸アシドーシスのリスク因子には以下のものがあります。

・肝機能障害
・低酸素血症を伴いやすい状態
・脱水(利尿作用を有する薬剤の併用を含む)
・過度のアルコール摂取
・感染症
・高齢者

 

メトホルミンを服用する患者さんについては、以下の点に注意します。

 

・腎機能の数値の確認

・腎機能低下による「むくみ」の有無

・肝機能の数値

 

 

アシドーシスとは

アシドーシスとは血液が酸性になっている状態のことです。

通常、動脈を流れる血液は、pH7.35~7.45に保たれています。

つまり、血液は弱アルカリ性になっています。

 

一般にpHが7.35以下の状態のことをアシドーシスと言います。

 

そして、乳酸が増えることによって血液が酸性になることを、乳酸アシドーシスといいます。

 

 

まとめ

・メトホルミンを服用中は腎機能に注意が必要です。

・腎機能が低下しているときにメトホルミンを服用すると乳酸アシドーシスになることがあります。

・乳酸とは、乳酸によって血液が酸性になることです。

・メトホルミン服用時には、腎機能やむくみに注意します。

・メトホルミンのほかに、肝機能低下時にも、乳酸アシドーシスのリスクが高まります。

 

参考資料:
公益社団法人 日本糖尿病協会、日経DI2019/6/19