ロゼレムは依存性の少ない薬です。
効果は強くありませんが、自然な睡眠を促す薬です。
ロゼレムの作用
ロゼレムは、睡眠にかかわるホルモンに関連する薬です。
睡眠に関係するホルモンにメラトニンというものがあります。
メラトニンは、夜になると分泌されるホルモンです。
体温を低下させ、睡眠を誘導する働きがあります。
ロゼレムは、メラトニン受容体に作用します。
メラトニンのような働きをして、体が睡眠に向かうように働きます。
そのため、自然な睡眠を促すと言えます。
ロゼレムの注意点
緩和な作用
ロゼレムは依存性がなく自然な睡眠を促す薬ということで、安心して使用できる薬です。
その一方で、比較的マイルドな作用の薬です。
そのため、既にベンゾジアゼピン系などの睡眠薬を服用している方は、十分な効果を感じられない可能性があります。
初めて睡眠薬を服用する方など、軽症の不眠の方に適しています。
不眠で医師に相談する際に「自然な睡眠を促すような薬があると聞きましたが…」などと話すと、処方してもらえるかもしれません。
飲み合わせ
一緒に飲んではいけない薬があります。
ルボックスとデプロメールという薬は併用できません。
どちらも、フルボキサミンマレイン酸塩という成分の薬です。
一緒に服用すると、ロゼレムの効果が強く出すぎてしまいます。
それは、肝臓の薬物代謝酵素CYP1A2を阻害するためです。
CYP1A2は、ロゼレムの代謝に関わる酵素です。
この酵素を邪魔してしまうことで、ロゼレムが壊されなくなり、ロゼレムの血中濃度が上昇します。
そのため、ロゼレムが効きすぎてしまうのです。
他にも、飲み合わせの悪い薬があるので注意が必要です。
授乳中
ラットで乳汁中へ移行したという報告があります。
服用する場合は、授乳を中止します。
肝機能障害
高度な肝機能障害の方の服用は禁止されています。
それは、ほとんどが肝臓で代謝されて体から消えていくためです。
肝機能が低下していると、血中濃度が上昇してしまいます。
翌朝の眠気
翌朝にも効果が残ってしまうことがあります。
眠気、注意力低下などに注意が必要です。
アルコール
他の睡眠薬にも言えることですが、服用中はアルコールを避ける必要があります。
注意力低下などの作用が強く出てしまいます。
まとめ
・ロゼレムはメラトニンというホルモンのような働きをする薬です。
・この作用から、比較的自然な睡眠が得られる薬です。
・緩和な作用なので、既に不眠やうつ病などの治療を受けている方には向いていません。
・肝機能や併用薬に注意が必要な薬です。