ステロイドの内服薬の副作用
ステロイド外用薬(塗り薬)の副作用
では、ステロイドの塗り薬の場合は、どんな副作用があるのでしょうか。
全身性の副作用
ステロイドの塗り薬の場合、通常の使用方法では薬が全身にまわることはありません。
ふつうに塗った場合、経皮吸収率は3~5%といわれています。
塗ったところ以外に影響することはほぼありえません。
局所の副作用
ステロイド外用薬では塗ったところに副作用が起こることがあります。(局所作用)
起こり得る副作用には以下のものがあります。
・にきび(ステロイドざ瘡)
・皮膚が赤くなる(ステロイド潮紅)
・皮膚萎縮
・多毛
・真菌・ウイルスによる皮膚感染症
・アレルギー性接触皮膚炎
これらの症状は、市販薬などを一時的に使用した程度ではほとんど起こりません。
アトピー性皮膚炎の方など、使用頻度が高い場合に起こることがある副作用です。
副作用が出たとしても、それは一時的なもので、大抵は使用を中止すると治ります。
皮膚が黒くなるのは副作用ではない
ステロイド外用薬を使ってから皮膚が黒くなることがあります。
でも、皮膚が黒くなるのはステロイドによる副作用ではありません。
皮膚炎が落ち着いてきたときに起こる色素沈着です。
炎症が治る過程での症状ということです。
まとめ
・ステロイドの副作用は、内服薬と外用薬で異なります。
・ステロイド外用薬の場合は、ごくまれに塗ったところが赤くなったり、にきびが出来たりしますが、大抵は中止すると治ります。
・皮膚が黒くなるのはステロイドの副作用ではなく、皮膚炎が治る過程の症状です。
参考資料:ステロイド外用薬の使い方:コツと落とし穴 アレルギー Vol.58 (2009) No.5 491-497