理想的な抗ヒスタミン薬
効果が強く、眠くなりにくい、そんな理想的な抗ヒスタミン薬は存在するのでしょうか?
抗ヒスタミン薬の中で、一番”強くて”、一番眠くなりにくい薬はどれなのか、誰もが知りたいところです。
ところが、抗ヒスタミン薬の効果を、すべて比較してランキングにすることはできていません。*注1
眠気については、副作用の頻度として添付文書などで確認することができます。*注2
効果と眠気の相関図を見かけることができますが、大抵は筆者の主観によるものです。
個人差も大きいので、自分に合ったものを見つけることが必要です。
個人差が大きいとは言っても、多くの医師が感覚として手ごたえを感じている薬を知りたいところです。
そこで参考になるのが、抗ヒスタミン薬の処方数です。
処方数の多い抗ヒスタミン薬
医師がよく処方する抗ヒスタミン薬を挙げていきます。
医師がよく処方する理由としては、効果を実感しているだけでなく、眠気などの副作用が少ないことや、患者のライフスタイルに合わせやすいことなどが考えられます。
ランキング形式にしていますが、効果の序列ではありません。
また、市販されている薬はアンダーラインを付けてあります。
1位フェキソフェナジン(アレグラ)
2位エピナスチン(アレジオン)
3位レボセチリジン(ザイザル)
4位オロパタジン(アレロック)
5位ベポタスチン(タリオン)
6位ロラタジン(クラリチン)
7位ビラスチン(ビラノア)
8位エバスチン(エバステル)
9位デスロラタジン(デザレックス)
10位セチリジン(ジルテック)
(日経DI2018/2/17より改変)
アレグラが医師が最も多く処方しているという結果になっています。
処方理由としては、効果もそれなりに実感でき、眠気が少ないこと、ジェネリック医薬品も存在することなどがあるようです。
2位のエピナスチンや3位のレボセチリジンは1日1回の服用で良く、飲み忘れが少ないことも処方理由となっているようです。
効果や副作用などのバランスの取れた薬が上位になっているようです。
効果をどれほど実感できるかは個人差がありますが、多く使用されてきた薬は安心して服用できる薬と言えます。
ただし、医師による処方は個々の患者の、その時の症状に合わせたものです。
このランキングで薬の優劣を知ることはできません。
まとめ
・抗ヒスタミン薬の効果をランキングにすることは困難です。
・医師による処方数は薬選びの参考にできます。
・処方数が多い薬は、効果や副作用や用法などのバランスのよい薬と思われます。
・処方数ランキングは、薬の優劣を測るものではないため、個々の症状にあった薬を使用しましょう。
参考資料:日経DI2018/2/17
*アレルビの成分はアレグラと同じフェキソフェナジンです。