アレルギー

抗ヒスタミン薬の強さはランキングにできない?

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多くは個人的な見解

抗ヒスタミン薬の強さをランキングにしたものを見かけることがあります。

抗ヒスタミン薬の効き目と眠気が図に示されています。

その図を見ると、一目瞭然で抗ヒスタミン薬を比較できます。

「よく効くけど眠気が出やすい」

「効き目は弱いけど、眠くならない」

などと判断することができます。

 

では、こうした図の根拠はどこにあるのでしょうか?

 

大抵は"筆者の個人的な見解"です。

 

 

もちろん、個人的な感想を述べることは自由です。

大抵は、きちんと"個人的な見解です"とか"効果は個人差があります"と但し書きがあります。

個人的な見解を書いてはいけない訳ではありません。

 

大切なのは、読み手が"個人的な見解であること"を理解した上で情報を利用することです


大規模な比較は行われていない

では、科学的根拠に基づくランキングはないのでしょうか。

すべての抗ヒスタミン薬をきちんと比較することはできないのが実情です。

数ある抗ヒスタミン薬を同じ条件で比較することは困難だからです。

 

いくつかの抗ヒスタミン薬を比較した臨床試験は行われています。

その結果は、大きな差は見られていません。

例えば、ビラノアの国内の臨床試験ではアレグラとの比較がされていますが、効果の差は見られませんでした。

ビラノアの鼻アレルギーへの効果は、アレグラと同等という結果になっています。  



即効性や持続時間

即効性や持続時間は、血中濃度のデータから知ることができます。

臨床試験データから、最高血中濃度に達するまでにどれくらいの時間がかかるか知ることができます。

また、血中濃度がどれくらい持続するかを知ることができます。

ただし、即効性や持続時間は薬の"強さ"の指標ではありません。

即効性があるからといって、よく効くというわけではありません。

また、効果か持続するからといって、よく効くというわけでもありません。

抗ヒスタミン薬の効果を比較することが難しいことがお分かりいただけたでしょうか。


自分に合ったものを探す

では、どのように抗ヒスタミン薬を選べばいいのでしょうか?

これは、地道に試していくしかありません。

自分に合った抗ヒスタミン薬を探していくことになります。

処方箋医薬品の場合は、医師に相談しましょう。


抗ヒスタミン薬の選び方

薬を選ぶ上で、眠気の出やすさや、服用方法なども考えるとよいでしょう。

 

眠気の出やすさ

眠気の頻度については添付文書などのデータから知ることができます。

 

特に眠気の頻度が低いものは以下の薬です。

・ビラノア:0.6%

・デザレックス:1.0%

・アレジオン:1.2

 

このように、眠気の出やすさについては数値で見ることができます。

でも、これも数値を"見比べているだけ"であって比較試験をしたわけではありません。

個人差も大きいので、やはり自分に合ったものを探す必要があります。

 

服用方法から選ぶ

服用方法(用法)も様々です。

1日1回の服用のものや1日2回の服用のものがあります。

空腹時でなければ効きが悪くなるものもあります。

自分のライフスタイルに合った服用方法のものを見つけましょう。



まとめ

・抗ヒスタミン薬の効果の比較は、たいてい個人的な見解です。

・抗ヒスタミン薬の効果を比較することは難しい上、個人差も大きいので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

・即効性や持続時間も考慮できますが、効き目の強さとは別のものです。

・眠気の出やすさにも個人差があります。

・用法なども考慮して自分に合ったものを探しましょう。

 

参考資料:ビラノアインタビューフォーム、「皮膚科診療における抗ヒスタミン薬の限界と可能性」

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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