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鍵になるのはヘルパーT細胞という免疫細胞です。その中でもTh1細胞とTh2細胞のバランスが重要でTh1細胞が優位になるとアレルギー反応を抑えることができると考えられています。発酵食品に含まれる乳酸菌などを摂取することでTh1細胞が優位になります。
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ヘルパーT細胞の種類
ヘルパーT細胞とは免疫細胞の一種です。ヘルパーT細胞にはいくつかの種類があります。ヘルパーT細胞の代表的なものは、Th1細胞とTh2細胞です。
主な働きは以下の通りです。
Th1細胞
Th1細胞は、細菌などを撃退するのに重要な働きをします。細菌などが浸入してきた部位で働いて、マクロファージを活性化したり、炎症反応を起こしたりします。
Th2細胞
Th2細胞はアレルギー反応に関与します。Th2細胞が多い状態でアレルゲンが侵入してくると、B細胞からつくられるIgE抗体が増えます。
ヘルパーT細胞ができるまで
ヘルパーT細胞の原型は、最初は骨髄でつくられます。それから、胸腺に移動します。
ナイーブT細胞
胸腺で成熟してできるT細胞をナイーブT細胞と言います。ナイーブT細胞は体を循環して、リンパ節などに分布します。そのあと、ナイーブT細胞から3種類のヘルパーT細胞ができることになります。
腸とアレルギー
腸を整えることがアレルギーに効果的といわれています。その理由は、腸が免疫細胞のバランスに関係していることにあります。ナイーブT細胞の多く分布するのが腸です。腸でナイーブT細胞からそれぞれのヘルパーT細胞への変化が起きます。このとき、どういうバランスでそれぞれのヘルパーT細胞ができるかが重要です。
Th2細胞が増えるとアレルギー反応が起こりやすい
特に、Th1細胞とTh2細胞のバランスが重要とされています。Th1細胞とTh2細胞はお互いを制御し合っています。シーソーの関係のように、どちらかが増えると、どちらかが減ります。Th2細胞が増えるとアレルギー反応が起こりやすくなります。
Th1細胞<Th2細胞
↓
アレルギー反応が
起こりやすい
その反対に、Th1細胞が増えるとアレルギー反応は抑制されます。
Th1細胞>Th2細胞
↓
アレルギー反応が
起こりにくい
Th1/Th2バランスと細菌
Th1細胞とTh2細胞のバランスのことをTh1/Th2バランスと呼びます。生まれたばかりの赤ちゃんの体では、Th2細胞が優位でTh1細胞が弱いことが分かっています。細菌などに接触するうちに、Th1細胞が活発になってきます。細菌などに接触することが少ないと、Th2細胞が優位のままとなりアレルギー反応が起こりやすくなってしまいます。そこで、発酵食品に含まれる乳酸菌などを摂取することで、Th1細胞が優位になりアレルギー反応を抑えることができると考えられています。
乳酸菌を摂取
↓
Th1細胞>Th2細胞
↓
アレルギー反応が
起こりにくい
L-92乳酸菌はアレルギーに効くのか
L-92乳酸菌のアレルギーに対する効果が検討されています。マウスの臓器を使った実験では、Th1を活性化するサイトカインが増加しました。Th2細胞を活性化するサイトカインは抑制しました。つまり、Th1細胞を活性化し、Th2細胞を抑制しました。Th1/Th2バランスを改善するので、アレルギー症状を抑制することが期待されます。
まとめ
・ヘルパーT細胞の代表的なものは、Th1細胞とTh2細胞です。
・Th1細胞は、細菌などを撃退するのに重要な働きをします。
・Th2細胞はアレルギー反応に関与します。
・腸でナイーブT細胞からそれぞれのヘルパーT細胞への変化が起きます。
・Th1細胞とTh2細胞はシーソーのように、お互いを制御し合っています。
・Th2細胞が増えるとアレルギー反応が起こりやすくなります。
・L-92乳酸菌は、Th1細胞を活性化しTh2細胞を抑制するため、アレルギー症状を抑制することが期待されます。
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