テリルジーはCOPDの吸入薬です。
一つの吸入器に3成分を配合し、1日1回でCOPDに対して効果を発揮する薬として初めてのものです。
吸入ステロイド、長期作用型抗コリン薬、長期作用型β刺激薬の3剤を配合しています。
この記事では、テリルジーの作用と適応などについてまとめています。
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COPDとは
慢性閉塞性肺疾患のことです。
COPDは、たばこなどが原因で肺が炎症を起こし、呼吸をしにくくなる病気です。
肺に炎症が起きることが原因で、咳やたんが出たり、気管支が細くなって呼吸が苦しくなります。
気管支が枝分かれした先にある肺胞が壊されると肺気腫になると、酸素と二酸化炭素を交換する機能が低下します。
正常な呼吸が出来ず、日常生活にも支障が出る病気です。
テリルジーの作用
テリルジーにはフルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム臭化物、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の3つの成分が配合されています。
フルチカゾンフランカルボン酸エステル
フルチカゾンフランカルボン酸エステルはステロイド薬です。
ステロイドの作用は、抗炎症作用です。
ステロイドが細胞の表面にある受容体にくっつくと、細胞の核に移動します。
核の中では遺伝子に作用して、炎症に関与する物質がつくられのを抑えます。
ウメクリジニウム臭化物
ウメクリジニウム臭化物は抗コリン薬です。アセチルコリンの邪魔をする薬です。
アセチルコリンは副交感神経が働いたときに増える神経伝達物質です。アセチルコリンは気管支平滑筋を収縮させて気管支を捕捉します。
ウメクリジニウムは、アセチルコリンの働きを邪魔することで、気管支を広げて呼吸を楽にする作用があります。
ビランテロールトリフェニル酢酸塩
ビランテロールトリフェニル酢酸塩はβ2刺激薬です。
気管支平滑筋のβ2受容体を刺激することで気管支平滑筋を弛緩させます。
そのため、気管支が広がり呼吸が楽になります。
喘息には使用できない
適応はCOPDの症状の改善です。
気管支喘息には使用できません。
気管支喘息を合併したCOPDには使用できますが、気管支喘息の管理が十分に行われている必要があります。
【効能・効果】は以下の通りです。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)添付文書より
気管支喘息には使用できない旨が、重要な基本的注意に書かれています。
本剤は気管支喘息治療を目的とした薬剤ではないため、気管支喘息治療の目的には使用しないこと。なお、気管支喘息を合併した慢性閉塞性肺疾患患者に本剤を適用する場合には、気管支喘息の管理が十分行われるよう注意すること。添付文書より
急性期の薬ではない
テリルジーはCOPDの長期管理を目的とした薬です。
症状が悪化した急性期に使用するものではありません。
テリルジーを使用中に症状が悪化した場合は、テリルジーを追加使用するのではなく、短時間作用性吸入β2刺激剤等を使用するよう指導する必要があります。
まとめ
・テリルジーはCOPDの吸入薬で、吸入ステロイド、長期作用型抗コリン薬、長期作用型β刺激薬の3剤を配合しています。
・適応はCOPDの症状の改善です。気管支喘息には使用できません。
・テリルジーはCOPDの長期管理を目的とした薬です。
参考資料:添付文書、インタビューフォーム
*新薬のため今後さらに追記します。