ロキソニンは、プロスタグランジンを減らす事で痛みや炎症を抑えます。プロスタングランジンが減ることに伴う副作用があります。
特に胃腸障害には注意が必要です。ロキソニンに限らず、薬の特性を理解したうえで、注意して服用する必要があります。
ロキソニンの作用機序
ロキソニンの作用機序は、プロスタグランジンの合成阻害です。
COXという酵素の働きを邪魔して、アラキドン酸からプロスタグランジンができる量を減らします。
プロスタグランジンの働き
プロスタグランジンには様々な働きがあります。
・プロスタグランジンは、ブラジキニンという発痛物質の働きを強めます。
プロスタグランジンが減ればブラジキニンの働きが弱まり、痛みは軽減します。
・プロスタグランジンは血流を増強して炎症反応を強くします。
ロキソニンは、プロスタグランジンを減らして、痛みと炎症を抑える薬です。
ロキソニンの副作用
プロスタグランジンを減らす事と関係した副作用があります。
プロスタグランジンには、様々な働きがあります。
そのため、ロキソニンの副作用にもさまざまなものがあります。
胃腸障害
プロスタグランジンは胃の粘膜保護に関係しています。
プロスタグランジンが減ると、胃を保護する機能が低下して胃腸障害が起こる事があります。
腎機能障害
プロスタグランジンが減る事で血流量が減って腎機能が低下することがあります。
既に腎機能が低下している方や、高齢者は注意が必要です。
出血傾向
プロスタグランジンが減ると、トロンボキサンという物質も減ってしまいます。
トロンボキサンは血小板を形成する働きがあります。
トロンボキサンが減ることで、出血しやすくなってしまいます。
NSAIDs過敏症
COXが邪魔されると、アラキドン酸からロイコトリエンが作られる量が増えます。
その結果、喘息発作が起きたり、蕁麻疹が出ることがあります。
腸閉塞
2016年に「重大な副作用」に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」が追加されました。
3年間で副作用の報告が6件で、そのうち因果関係の否定できないものが5件だったため追加されました。
消化管の潰瘍がひどくなって、狭窄・閉塞があらわれることがあります。
非常に稀な副作用ですが、医療関係者は頭の片隅に入れておくべき副作用です。
ロキソニンは飲んではいけない?
どんな薬にも副作用があり、副作用があるので飲んではいけないというのは間違いです。
ロキソニンは広く使用されていることもあって、副作用の報告も多くなっています。
副作用の多くは、頻度不明なごく稀な副作用です。
頻度が高い副作用には胃腸障害などがあります。
腎機能障害など、既に持病がある方は医師の診断のもとに使用すべきでしょう。
継続的に服用することで胃腸障害も出やすくなるため、長期に服用する場合も医師の診断のもとに使用すべ
きです。
ロキソニンの特性を理解したうえで、注意して服用する必要があります。
これは、ロキソニンに限らずどの薬についても言える事です。
まとめ
・ロキソニンは、プロスタグランジンを減らす事で痛みや炎症を抑えます。
・プロスタングランジンが減ることに伴う副作用があります。
・特に胃腸障害には注意が必要です。
・ロキソニンに限らず、薬の特性を理解したうえで、注意して服用する必要があります。
20190626
20190626
参考資料:添付文書、インタビューフォーム、「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」(日本緩和医療学会)