【片頭痛発作】片頭痛のメカニズムとトリプタン系薬の作用機序

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日本の片頭痛の患者数は、15 歳以上で人口の6.0%~8.4%と報告されています。

片頭痛は、頭の片側は痛むことに由来する名前ですが、実際には片側の痛みに限るものではありません。
前兆症状がある片頭痛と、前兆症状はない片頭痛があります。
前兆症状には、キラキラした光が見えるなどの症状があります。

片頭痛の症状は、ドクンドクンと脈を打つような痛みです。

片頭痛の発作時には、トリプタン系の片頭痛治療薬などが使用されます。
ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)アセトアミノフェンなども使用されます。

片頭痛の発作予防には、パルプロ酸Naなどは使用されます。

 

 

片頭痛のメカニズム

片頭痛のメカニズムについては、十分に分かっていないのが現状です。
これまで、血管説、神経説、三叉神経血管説が提唱されてきました。

 

血管説

血管説は、従来から提唱されてきた説です。
片頭痛の前兆の時に血管が収縮し、それ後に血管が拡張して頭痛が生じと考えられてきました。

 

神経説

片頭痛は大脳皮質の過剰興奮によるという説です。

 

三叉神経血管説

三叉神経血管説は、三叉神経血管との関係に注目した考えです。
血管説と神経説を結び付けたのもので、現在最も支持されている説です。

 

この説は、三叉神経が何らかの刺激を受け、その刺激が痛みを引き起こす物質を放出させるというものです。
*何らかの刺激の一つが、上記「神経説」の大脳皮質の過剰興奮と考えられています。

 

三叉神経が痛みを引き起こす物質を放出

三叉神経は刺激を受けると、痛みを引き起こす物質(サブスタンスPなど)が放出されます。
痛みを引き起こす物質が、血管を拡張させたり、血管周囲の炎症を引き起こしたりします。

 

三叉神経が痛みを脳に伝える

次に、血管の拡張や炎症によって、三叉神経が刺激されます。
それにより、今度は三叉神経から脳へと刺激が伝えられて、痛みを感じるようになります。

 

トリプタン系薬の作用機序

トリプタン系薬は、片頭痛の発作時治療薬です。
トリプタン系薬には以下の薬剤があります。

・スマトリプタン(イミグラン)
・ゾルミトリプタン(ゾーミック)
・エレトリプタン(レルパックス)
・リザトリプタン(マクサルト)
・ナラトリプタン(アマージ)

 

トリプタン系薬は、セロトニン受容体に作用します。
セロトニン受容体には以下の11種類のタイプがあります。
5-HT1A、5-HT1B、5-HT1D、5-HT2A、5-HT2B、5-HT2C、5-HT3、5-HT4、5-HT5、5-HT6、5-HT7

このうち、トリプタンが作用するのは5-HT1B受容体5-HT1D受容体という受容体です。

 

5-HT1B受容体に作用

5-HT1B受容体は、頭部の血管に存在しています。
トリプタンが5-HT1B受容体に作用すると、血管が収縮します。
片頭痛発作時に拡張した血管が収縮することで、痛みが抑えられます。

 

5-HT1D受容体に作用

5-HT1D受容体は、頭部の血管の周りにある三叉神経に存在しています。
トリプタンが5-HT1D受容体に作用すると、痛みを引き起こす物質の放出を抑えます。
それによって、血管の拡張が抑えられて痛みが抑えられます。

 

 

まとめ

・片頭痛は、三叉神経が何らかの刺激を受け、その刺激が痛みを引き起こす物質を放出させることによっておこると考えられています。

・トリプタンが5-HT1B受容体に作用すると、片頭痛発作時に拡張した血管が収縮して、痛みが抑えられます。

・トリプタンが5-HT1D受容体に作用すると、痛みを引き起こす物質の放出を抑えられ、それによって血管の拡張が抑えられて痛みが抑えられます。

 

参考資料:イミグランインタビューフォーム、日本内科学雑誌104第3巻