高脂血症/肥満

パルモディアの作用機序と副作用ー肝障害は少ない

2019年7月19日

ペマフィブラートといい、フィブラート系高脂血症治療薬です。

この記事では、パルモディアという高脂血症治療薬が従来の薬とどう違うのかをまとめています。

パルモディアは肝機能障害が少ないフィブラート系薬です。

この記事では、パルモディアの作用と副作用について解説します。

 

 

パルモディアの作用

パルモディアは、高脂血症の治療薬です。

成分は、ペマフィブラートといい、フィブラート系高脂血症治療薬に分類されます。

 

フィブラート系薬は他にも以下の医薬品があります。

・ベザトールSR(ベザフィブラート)

・リピディル(フェノフィブラート)

・トライコア(フェノフィブラート)

 

パルモディアは、フィブラート系薬の安全性を高めることを目的に開発されました。

 

 

フィブラート系薬の作用



そもそも、フィブラート系薬は、どのように作用するのでしょうか。

 

フィブラート系薬は、細胞の中でPPARαという物質にくっつくことで作用します。

 

PPARとは

PPARとは、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(peroxisomeproliferator-activated receptor)の略です。

PPARは、脂肪酸のβ酸化胆汁酸合成をつかさどる、ペルオキシソームという細胞内小器官に関係する受容体です。

PPARは細胞の核の中に存在する受容体です。

(一方、エストロゲン受容体などは、普段は細胞質にありホルモンなどがくっついてから核の中に移動します。)

 

フィブラート系薬は、PPARαにくっつく

フィブラート系薬はPPARαにくっつくと、一体となります。

つまり、複合体となってから細胞の核の中にあるDNAに作用します。

DNAに作用した結果、遺伝子の働きを調節しトリグリセリド(中性脂肪)がつくられる量を減らします。

 

 

 

パルモディアの特徴



一般に、フィブラート系薬は、トリグリセリドの生成など脂質代謝に働きかけるだけでなく、肝機能に悪影響があります。

これは、PPARαが作用する遺伝子が、脂質代謝に関係する遺伝子だけではないためです。

肝機能障害を引き起こす物質を作る遺伝子にも作用してしまいます。

 

ペマフィブラートの肝機能への影響

ペマフィブラートは肝機能への影響が少なくなっています。

ペマフィブラートは、PPARαにくっつくだけでなく、PPARαの形を変える働きがあるからです。

それによって、PPARαの働き方を変えます。

脂質代謝に関わる標的遺伝子に作用しやすく、肝機能に関係する遺伝子には作用しにくくなっています。

肝機能異常に影響する遺伝子(PEX1、PEX2、PEX11A)には影響しなかったという報告があります。

 

 

肝機能への影響が少ない

このように、ペマフィブラートは肝機能への影響は少なくなっています。

肝機能異常などの副作用の頻度は、0.3~1%未満です。

 

 

 

注意点

他の高脂血症治療薬と同様に、横紋筋融解症には注意が必要です。

肝機能や腎機能が低下している場合には、ペマフィブラートの血中濃度が上昇するおそれがあります。

基本的に、シクロスポリン、リファンピシンと一緒に服用することはできません。

 

 

 

まとめ

・パルモディアは、フィブラート系高脂血症治療薬に分類されます。

・フィブラート系薬は、細胞の中でPPARαという物質にくっつくことで作用します。

・パルモディアは、肝機能に関係する遺伝子には作用しにくくなっています。

 

参考資料:パルモディア添付文書、インタビューフォーム、日経DI2017/8/11

 

 

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

よく読まれている記事

1

コロナウイルスの感染予防には、手洗いや、手洗い後のアルコール消毒が有効です。テーブルや食器、ドアノブや便器などの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効です。流行期には特に消毒をして感染を予防しましょう。 ...

2

新型コロナウイルスが広がっていますが、”正しく怖れる”ことが大切と言われています。マスクの買い占めをしたりしてパニックに陥らないようにしたいですね。マスクやアルコール消毒に注意が行きがちですが、こまめ ...

3

「病院に行ったけど薬をもらうのを忘れた」 そんな経験はありますか?薬をもらい忘れて連休に入ってしまうと薬局を探すのにも一苦労です。そんな時、処方箋のネット予約が便利です。   EPARKくす ...

4

使い分けの方法は決まっていません。 整腸剤には、主に4種類の善玉菌が使われます。 それぞれの特性を生かしたさまざまな組み合わせがあります。 整腸剤は腸に善玉菌を送り込むことで腸内細菌のバランスを整える ...

5

症状に応じて使い分けましょう。 抗ヒスタミン薬 抗ヒスタミン薬の飲み薬には、たくさんの種類があります。大きく分けて2つ―第一抗ヒスタミン薬と第二世代抗ヒスタミン薬があります。 第一世代抗ヒスタミン薬 ...

6

人に聞きにくい体の悩みを抱えたことはありませんか。 このサイトでは、人に聞きにくい薬の疑問を薬剤師の視点で薬の解説をしています。 この記事では、膣カンジダの原因と薬についてまとめています。 わかりやす ...

-高脂血症/肥満

Copyright© わかりやすい薬の解説 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.