ペマフィブラートといい、フィブラート系高脂血症治療薬です。
この記事では、パルモディアという高脂血症治療薬が従来の薬とどう違うのかをまとめています。
パルモディアは肝機能障害が少ないフィブラート系薬です。
この記事では、パルモディアの作用と副作用について解説します。
パルモディアの作用
パルモディアは、高脂血症の治療薬です。
成分は、ペマフィブラートといい、フィブラート系高脂血症治療薬に分類されます。
フィブラート系薬は他にも以下の医薬品があります。
・ベザトールSR(ベザフィブラート)
・リピディル(フェノフィブラート)
・トライコア(フェノフィブラート)
パルモディアは、フィブラート系薬の安全性を高めることを目的に開発されました。
フィブラート系薬の作用
そもそも、フィブラート系薬は、どのように作用するのでしょうか。
フィブラート系薬は、細胞の中でPPARαという物質にくっつくことで作用します。
PPARとは
PPARとは、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(peroxisomeproliferator-activated receptor)の略です。
PPARは、脂肪酸のβ酸化や胆汁酸合成をつかさどる、ペルオキシソームという細胞内小器官に関係する受容体です。
PPARは細胞の核の中に存在する受容体です。
(一方、エストロゲン受容体などは、普段は細胞質にありホルモンなどがくっついてから核の中に移動します。)
フィブラート系薬は、PPARαにくっつく
フィブラート系薬はPPARαにくっつくと、一体となります。
つまり、複合体となってから細胞の核の中にあるDNAに作用します。
DNAに作用した結果、遺伝子の働きを調節しトリグリセリド(中性脂肪)がつくられる量を減らします。
パルモディアの特徴
一般に、フィブラート系薬は、トリグリセリドの生成など脂質代謝に働きかけるだけでなく、肝機能に悪影響があります。
これは、PPARαが作用する遺伝子が、脂質代謝に関係する遺伝子だけではないためです。
肝機能障害を引き起こす物質を作る遺伝子にも作用してしまいます。
ペマフィブラートの肝機能への影響
ペマフィブラートは肝機能への影響が少なくなっています。
ペマフィブラートは、PPARαにくっつくだけでなく、PPARαの形を変える働きがあるからです。
それによって、PPARαの働き方を変えます。
脂質代謝に関わる標的遺伝子に作用しやすく、肝機能に関係する遺伝子には作用しにくくなっています。
肝機能異常に影響する遺伝子(PEX1、PEX2、PEX11A)には影響しなかったという報告があります。
肝機能への影響が少ない
このように、ペマフィブラートは肝機能への影響は少なくなっています。
肝機能異常などの副作用の頻度は、0.3~1%未満です。
注意点
他の高脂血症治療薬と同様に、横紋筋融解症には注意が必要です。
肝機能や腎機能が低下している場合には、ペマフィブラートの血中濃度が上昇するおそれがあります。
基本的に、シクロスポリン、リファンピシンと一緒に服用することはできません。
まとめ
・パルモディアは、フィブラート系高脂血症治療薬に分類されます。
・フィブラート系薬は、細胞の中でPPARαという物質にくっつくことで作用します。
・パルモディアは、肝機能に関係する遺伝子には作用しにくくなっています。
参考資料:パルモディア添付文書、インタビューフォーム、日経DI2017/8/11