【前立腺がん】アーリーダはアンドロゲンの作用を抑制する

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「この薬は、体の中でどんなふうに効くだろう?」と考えることはありませんか。

このサイトでは、患者さんに薬の説明をする薬剤師の視点で薬の解説をしています。

普段、患者さんに説明しきれないことまで、詳しく解説します。

この記事では、前立腺がんの治療薬アーリーダの作用をまとめています。

わかりやすい言葉と図を使った解説で、細胞レベルでどのように作用するのかを理解して頂けると思います。

 

去勢抵抗性前立腺癌とは

アーリーダの適応は、「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌」となっています。

去勢抵抗性前立腺癌とは、外科的去勢法ホルモン療法を行っても改善しなかった前立腺がんのことです。

 

前立腺がんは、男性ホルモンのアンドロゲンが働くことで増殖してしまう性質があります。

 

外科的去勢法では、アンドロゲンを作っている精巣を除去します。

外科的去勢法を行った後も悪化してしまう前立腺がんを去勢抵抗性前立腺癌と呼びます。

 

ホルモン療法は、アンドロゲンがつくられる量を減らすことを目的としています。

ホルモン療法が効果を発揮しない癌も存在します。
このような、ホルモン療法が十分に効かない前立腺癌も去勢抵抗性前立腺癌に分類されています。

 

アーリーダは、外科的去勢法ホルモン療法の効果が得られない前立腺癌に使用されます。

 

アンドロゲンと前立腺がん

男性ホルモンであるアンドロゲンは、前立腺癌の増殖に関わります。

 

アンドロゲンは、細胞の中に入るとアンドロゲン受容体にくっつきます。

アンドロゲン受容体は、アンドロゲンと一体となり細胞の核へ移動します。

核の中にあるDNAにくっつくと遺伝子が転写されます。

それによって、癌細胞が増殖します。

 

 

アーリーダの作用

アーリーダの有効成分はアパルタミドといいます。

アパルタミドは、アンドロゲン受容体にくっついて、アンドロゲンの働きを邪魔します。

 

その作用は、以下の3つの段階で説明できます。

①アンドロゲン受容体とくっついてアンドロゲンの邪魔をします

アパルタミドは、椅子取りゲームのようにアンドロゲン受容体をふさいでしまうことで、アンドロゲンが受容体にくっつけないようにします。

 

②アンドロゲン受容体の核への移行を邪魔をします
アパルタミドは、アンドロゲン受容体にくっつくことで、アンドロゲン受容体の核への移行を邪魔します。

 

③アンドロゲン受容体がDNAにくっつくのを邪魔します

アパルタミドは、アンドロゲン受容体が核の中でDNAにくっつくのを邪魔します。

アーリーダは、このような流れで前立腺がんの増殖を抑えます。

 

 

アーリーダの副作用

副作用は70.4%の頻度となっています。

頻度が高い副作用は、疲労(22.5%)、皮疹(15.3%)、甲状腺機能低下症(4.7%)、そう痒症(4.1%)、体重減少(3.4%)などです。
(遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験)

 

 

まとめ

・アーリーダは、外科的去勢法、ホルモン療法の効果が得られない前立腺癌に使用されます。

・アーリーダの有効成分‐アパルタミドは、アンドロゲン受容体にくっついて、アンドロゲンの働きを邪魔します。

 

 

参考資料:アーリーダ添付文書、インタビューフォーム、日経DI2019/6/21