精神系

パーソナリティ障害の特徴【原因や治療法は?】

パーソナリティ障害はうつ病の患者さんが、うつを発症する前から患っていることがあります。多くの人とは異なる反応や行動をすることで本人や周りの人が困っている状態です。アメリカの研究では人口の15%の人がパーソナリティ障害であると言われています。

この記事では、パーソナリティ障害について以下の点を解説しています。

・多くの人とは異なる反応や行動をすることで本人や周りの人が困っている状態です。
・うつ病などで受診したところパーソナリティ障害であることが分かることがあります。
・原因には生物学的特性や発達期の苦難の体験が関連していると考えられています。
・治療法には認知行動療法などの精神療法や薬物療法などがあります。

*治療に際しては必ず担当医師の指示を仰いでください。

 

パーソナリティ障害とは

多くの人とは異なる反応や行動をすることで本人や周りの人が困っている状態です。

パーソナリティ障害は「その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った内的体験および行動の持続的パターン」と定義されます。(世界保健機構の精神疾患の診断基準、アメリカ精神医学会の診断基準)多くの人とは異なる反応や行動をします。それだけなら一つの個性ですが、本人や周りの人が困っているほどになるとパーソナリティ障害と呼ばれます。

パーソナリティ(Personality)という言葉は、人格、個性、性格などと訳されますが、パーソナリティ障害は”性格が悪い”という意味ではありません。誰もが考え方や行動、人との関わり方に独特のものがあります。でも、性格行動特性によって日常生活に支障をきたす場合はパーソナリティ障害の可能性があります。例えば、転職を繰り返す、結婚離婚を繰り返すなどという問題が起きていることがあります。

ただし、パーソナリティ障害は専門医によって診断されるものなので、「あの人はパーソナリティ障害だ」などと言うべきではありません。

 

パーソナリティ障害の分類

一般に、病気は分類することで治療法などが判断されます。パーソナリティ障害も特徴によって分類されています。パーソナリティ障害の分類は以下の通りです。

✔奇妙で風変わりなタイプ

  • 妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
  • 統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
  • 統合失調型パーソナリティ障害* (会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)

 

✔感情的で移り気なタイプ

  • 境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
  • 自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
  • 反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
  • 演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)

 

✔不安で内向的であることが特徴

  • 依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
  • 強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)
  • 回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)

 



受診することはあまりない

うつ病などで受診したところパーソナリティ障害であることが分かることがあります。

パーソナリティ障害は、他の精神疾患を引き起こすことがあります。例えば、うつ病や不安障害、薬物依存症などを引き起こします。そのため、うつ病などで受診したところパーソナリティ障害であることが分かることがあります。

医師が治療していくうちに、うつや不安のほかに”何か異なる性質の問題”があることに気づくことがあります。本人の抱える”生き辛さ”のようなものです。うつ病を乗り越えただけでは問題が解決しないとき、パーソナリティ障害であることが分かることがあるようです。

 



パーソナリティ障害の原因

原因には生物学的特性発達期の苦難の体験が関連していると考えられています。

パーソナリティ障害の原因の一つとして、生物学的特性が挙げられます。中枢神経系でセロトニンが作用している神経の機能低下が原因となっていることがあるようです。

発達期の苦難の体験が関連していることもあります。養育期につらい体験をしたことなどが原因として考えられています。

パーソナリティ障害は、思春期頃に現れはじめて、その後も長く続く性格行動特性です。仕事のストレスなどのはっきりした原因を特定できるものではありません。そのため、専門医ではない人が”あの人の病気の原因はこれだ”と決めつけるべきではありません。

 

 

パーソナリティ障害の治療

治療法には認知行動療法などの精神療法や薬物療法などがあります。

パーソナリティ障害の治療は、患者本人と治療者が協力して努力していくことが大切です。治療法には支持精神療法や認知行動療法など精神療法や薬物療法があります。

支持精神療法とは

支持精神療法は、患者の苦しみに共感を示し、そのうえで治療が症状を和らげるのに役立つことを説明し、不安を取り除くカウンセリングです。

認知行動療法とは

認知行動療法は、思考パターンを修正していく精神療法です。妄想や幻聴の非合理性を自覚できるようにします。

 

薬物療法

薬物療法では、感情調整薬(躁うつ病の薬)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、少量の抗精神病薬などが使用されます。

薬剤師が患者さんと向き合う際には、うつ病や躁うつ病、統合失調症だけでなくパーソナリティ障害が関係していることがあることを頭に入れておきたいところです。

 

まとめ

・多くの人とは異なる反応や行動をすることで本人や周りの人が困っている状態です。
・うつ病などで受診したところパーソナリティ障害であることが分かることがあります。
・原因には生物学的特性や発達期の苦難の体験が関連していると考えられています。
・治療法には認知行動療法などの精神療法や薬物療法などがあります。

 

*この記事は自己研鑽のためにまとめたものです。治療に際しては必ず担当医師の指示を仰いでください。自己判断は禁物です。

参考資料:みんなのメンタルヘルス|厚生労働省、日経メディカル2013.6.13

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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