レボフロキサシン500㎎は耐性菌の出現が少ない

この記事は約4分で読めます。

レボフロキサシンはニューキノロン系の抗菌薬です。

先発医薬品のクラビットが有名です。

幅広い細菌に効果があります。

以前は1日3回の用法でしたが、現在では1日1回の服用となっています。

これには、耐性菌の出現を防ぐことが関係しています。

 

幅広い効果

レボフロキサシンは、細菌のDNAの複製を阻害することで細菌の増殖を抑える抗菌薬です。細菌は、増えていく際にDNAを複製する必要があります。DNAを複製するためには、様々な酵素が働きます。レボフロキサシンは、DNAの複製に関わる酵素のうちDNAトポイソメラーゼという酵素の働きを邪魔します。それによって、細菌はDNAの複製が邪魔されて増殖しずらくなります。

レボフロキサシンは様々な菌に対して効果を発揮します。それでも、すべての細菌に対して同じように働くわけではありません。添付文書には適応菌種として以下の細菌が挙げられています。非常に多くの細菌に対して有効ですが、どの程度効くかは様々です。

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、結核菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、ペスト菌、コレラ菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、レジオネラ属、ブルセラ属、野兎病菌、カンピロバクター属、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌、Q熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ)、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

 

 

1日1回500㎎の用量



抗菌薬の効きにくい耐性菌が問題になっています。抗菌薬に対して抵抗力のある細菌が生き残り、増殖してしまうことがあります。そのため、耐性菌の出現を抑えるために、抗菌薬を適切に使用することが必要です。

レボフロキサシンは、以前は1回100㎎を1日3回服用することになっていました。しかし、それよりも高用量の500㎎を1日1回服用する方が、耐性菌の出現を抑えられることが分かっています。ヒト血中濃度推移を培地中に再現したモデルにおいて、500mg1日1回投与は100mg1日3回投与と比較して、 肺炎球菌及び大腸菌の耐性菌出現を抑制した、という実験結果があります。

そのため、現在ではレボフロキサシンの用法用量は、基本的に1回500㎎を1日1回となっています。

添付文書の用法用量は以下の通りです。

通常、成人にはレボフロキサシンとして1回500mgを1日1回 経口投与する。なお、疾患・症状に応じて適宜減量する。 肺結核及びその他の結核症については、原則として他の抗結核薬 と併用すること。 腸チフス、パラチフスについては、レボフロキサシンとして1回 500mgを1日1回14日間経口投与する。

 

250㎎錠という製剤も存在しますが、1回250㎎を1日数回に分けて服用するという用法はできるだけ避けます。

添付文書に記載されている「用法・用量に関連する使用上の注意」は以下の通りです。

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則 として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の 投与にとどめること。 本剤の500mg1日1回投与は、100mg1日3回投与に比べ 耐性菌の出現を抑制することが期待できる。本剤の投与に あたり、用量調節時を含め錠250mg及び細粒10%を用いる 場合も分割投与は避け、必ず1日量を1回で投与すること 。

 

 

まとめ

・レボフロキサシンは、細菌のDNAの複製を阻害することで細菌の増殖を抑える抗菌薬で、様々な菌に対して効果を発揮します。

・1回100㎎を1日3回服用するよりも500㎎を1日1回服用する方が、耐性菌の出現を抑えられることが分かっています。

 

 

参考資料:クラビット添付文書、インタビューフォーム