錠剤やカプセル剤の包装にはPTP包装シートやストリップ(SP)包装などがあります。薬剤師は錠剤の包装を「ヒート」と呼ぶことがありますが、PTP包装やSP包装という言い方が正しい言い方です。
もちろん、薬剤師の間では「ヒート」で通じるので間違いではありません。患者さんなど一般の方には「ヒート」と言っても通じないので注意が必要です。
✔ストリップ(SP)包装は、錠剤を2枚の材料の間に挟み込み、周りを接着する包装です。
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PTP包装シートとストリップ(SP)包装
錠剤やカプセル剤の包装は、「PTP包装シート」や「ストリップ(SP)包装」などです。PTP包装シートが大半を占めています。
PTP包装シート
PTP包装シートは、薬を押し出すタイプの包装で、錠剤やカプセル剤の包装の主流です。プラスチックに作った”くぼみ”に薬を入れて、アルミ箔などを貼り合わせた作りになっています。貼り合わせるときにヒートシールを使います。
大抵はプラスチックが透明で、中の錠剤が見えるようになっています。
ストリップ(SP)包装
ストリップ(SP)包装は、錠剤を2枚の材料の間に挟み込み、周りを接着する包装です。2枚のシートを張り合わせた形です。湿気に強く、遮光性にも優れます。粉薬の個包装にも使われています。バファリンA81などの包装がストリップ包装です。
ストリップ(SP)包装でも、貼り合わせるときにヒートシールを使います。
通称「ヒート」
薬剤師の間では「ヒート」という言葉が浸透しています。薬剤師の間では通用しますが、患者さんに「ヒート」と言ってもピンと来る人はほとんどいません。
「ヒート」という言葉は、ヒートシールから来ているようです。ヒートシールは、「フィルムや容器の接着層を熱で溶かして圧着し、接着すること」です。熱で溶かして”接着すること”、または”方法”のことであって出来上がった製品を言っている訳ではありません。
接着する”方法”である「ヒート」が通称になっています。患者さんに対しては「ヒート」ではなく、「薬の包装」など一般的な用語を使うのが良いでしょう。
薬剤師の間でも正確な言葉を使いたい人は、「PTP」や「SP包装」などの言葉を使いましょう。
まとめ
✔PTP包装シートは、薬を押し出すタイプの包装で、錠剤やカプセル剤の包装の主流です。
✔ストリップ(SP)包装は、錠剤を2枚の材料の間に挟み込み、周りを接着する包装です。
✔薬剤師の間では、薬の包装を「ヒート」と呼ぶことがあります。
参考資料:からだとくすりのはなし|中外製薬,日皮協ジャーナルNo.81(2019.2)
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