インフルエンザ

インフルエンザ脳症の原因とは?【ロキソニンは飲んではいけない?】

2020年1月17日

インフルエンザの流行期になると、重症化してインフルエンザ脳症を発症したというニュースを聞くことがあります。時に、小さな子供はインフルエンザ脳症のリスクが高いため、早めの対応が大切です。

この記事では、インフルエンザ脳症を発症する原因についてまとめています。

・インフルエンザ脳症の原因は、免疫反応によって生じる炎症性サイトカインです。
・炎症性サイトカインによって、脳の血管細胞に浮腫が生じることでインフルエンザ脳症が起こります。
・炎症性サイトカインによって、エネルギー物質であるATPが減って、細胞が機能不全になります。
・NSAIDs(エヌセイズ)という解熱鎮痛薬は、炎症性サイトカインを増やすためインフルエンザ脳症の危険を高めます。

 

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インフルエンザ脳症の原因は炎症性サイトカイン

インフルエンザ脳症の原因は、免疫反応によって生じる炎症性サイトカインです。

インフルエンザは炎症性サイトカインによって重症化することがあります。炎症性サイトカインは血管透過性亢進による浮腫と、ATPが減少して細胞が機能不全に陥ることが関係しています。脳の血管細胞で浮腫や機能不全が起こると、インフルエンザ脳症になります。特に小児はインフルエンザ脳症の危険がありますが、遺伝的な要因も関係します。

 

ここからは、炎症性サイトカインについて解説していきます。

インフルエンザウイルスに感染すると、体の防御反応として炎症性サイトカインがつくられます。炎症性サイトカインは良い働きと悪い働きがあります。

炎症性サイトカインの良い働き

炎症性サイトカインの良い働きはウイルスの排出です。体は、免疫反応によってウイルスを体の外に出そうとします。こうのような免疫反応のスイッチを入れるのが炎症サイトカインです。炎症性サイトカインをきっかけとして、ウイルスを体の外に排出しようとします。

 

炎症性サイトカインの悪い働き

炎症性サイトカインは、インフルエンザを重症化させることがあります。炎症性サイトカインは、①脳の血管細胞に浮腫が生じさせ、②エネルギー物質であるATPを減らし細胞を機能不全に至らせます。それにより、インフルエンザ脳症が起こります。

 

炎症性サイトカインの悪い働きについて、さらに詳しく解説していきます。

①脳の血管細胞に浮腫が生じさせる

炎症性サイトカインは、脳の血管細胞の浮腫を引き起こしてしまいます。

インフルエンザに感染して炎症性サイトカインができると、トリプシンという酵素をつくられます。トリプシンは、インフルエンザの感染を促進したり、細胞と細胞の隙間を広げたりします。

細胞と細胞の隙間が広がると、細胞間の物質が漏れ出てむくみが生じます。特に、脳の血管細胞でむくみが生じることでインフルエンザ脳症になります。

 

MMP-9もむくみを引き起こす

炎症性サイトカインによって、MMP-9という物質もできます。MMP-9は細胞を周りから支えて物理的に安定させる部分(細胞外マトリックス)を壊してしまいます。MMP-9もむくみを引き起こしてしまいます。

 

トリプシンがインフルエンザウイルスの感染を助ける?

インフルエンザウイルスは、最初に気道や腸管粘膜の細胞に感染します。その後、感染した細胞の中で遺伝子がコピーされて、ウイルスが増えてゆきます。増えたウイルスは、最初に感染した細胞の外に出て、ほかの細胞に向かいます。

この時、インフルエンザウイルスはトリプシントリプシンの力を借りて細胞に感染します。ちなみに、気道や腸管粘膜にはもともとトリプシンがあるために感染することができます。

 

②細胞が機能不全になる

エネルギー物質であるATPを減らし細胞を機能不全に至らせます。

炎症性サイトカインは、PDK4という酵素を増やして細胞の機能不全を引き起こします。PDK4が増えると、エネルギー物質であるATPが減ります。

これは、糖の代謝が悪くなることで起こります。ふつうは糖の代謝が悪くなっても、脂肪酸が代謝されるので細胞の機能不全にはなりません。遺伝的な問題で脂肪酸が代謝されないと細胞の機能不全になりやすくなります。

 

解熱鎮痛薬でリスクが増す

NSAIDs(エヌセイズ)という解熱鎮痛薬は、インフルエンザ脳症の危険を高めます。

NSAIDsとは、非ステロイド性抗炎症薬のことです。一般的には、インフルエンザのときにNSAIDsを服用すると、インフルエンザ脳症のリスクが増します。NSAIDsによって炎症サイトカインが増加するので、インフルエンザ感染時は浮腫や細胞の機能不全が起こりやすなるためです。

特に、サリチル酸系、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸という解熱鎮痛薬に関して注意が呼びかけられていますが、NSAIDs全般を避けるのが賢明です。ポンタールやボルタレンなどが該当します。

だからと言って、絶対にNSAIDsを服用してはいけないという訳ではありません。すべてのNSAIDsがインフルエンザ脳症を引き起こしてきた訳ではないからです。例えば、ロキソニンの添付文書には、インフルエンザの時に服用してはいけないという記載はありません。

それでも、ロキソニンなども含めNSAIDs全般を推奨しないとする学会や医師が多くいます。安全策としてNSAIDs全般を避けるという考え方が一般的です。インフルエンザの疑いがある場合は、カロナール(アセトアミノフェン)を服用することが推奨されています。アセトアミノフェンはNSAIDsに属さない解熱鎮痛薬です。

 

まとめ

・インフルエンザ脳症の原因は、免疫反応によって生じる炎症性サイトカインです。
・炎症性サイトカインによって、脳の血管細胞に浮腫が生じることでインフルエンザ脳症が起こります。
・炎症性サイトカインによって、エネルギー物質であるATPが減って、細胞が機能不全になります。
・NSAIDs(エヌセイズ)という解熱鎮痛薬は、炎症性サイトカインを増やすためインフルエンザ脳症の危険を高めます。

 

参考資料:小児耳 2016; 37(3): 305-311インフルエンザ感染の重症化機序と治療法,福岡県薬剤師会ホームページ

 

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*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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