爪水虫にかかっている人は、日本人の約10人に1人と言われています。爪水虫になると、爪が黄色くなって変形したり、爪が厚くなって靴を履くときに痛みが出たりします。
爪水虫は自然治癒は期待できません。病院で処方される内服薬や外用薬での治療が必要になります。
爪まわりに効果的な市販薬がありますが、爪水虫の治療には病院で処方される薬が必要です。
・爪白癬の場合は病院で処方される内服薬で治療するのが基本です。
・クレナフィン爪外用液とルコナック爪外用液は、爪水虫に有効です。
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爪水虫とは
日本人の10人に1人が爪水虫(爪白癬)になっていると推定されています。水虫の原因菌である白癬菌が爪に侵入して増えることで症状が出てきます。
白癬菌は、爪の先端に感染してから根元に向かって広がっていきます。爪が白くなったり、分厚くなったり、変形したりしていきます。家族に感染するリスクもあります。
治療の基本は内服
足の指の間などの皮膚にできた水虫の場合は、軟膏やクリーム、液体などの外用の水虫薬で治療できます。一方、爪白癬の場合は病院で処方される内服薬で治療するのが基本です。テルビナフィン(ラミシールなど)やイトラコナゾール(イトリゾール)などを内服します。
爪に感染した白癬菌は、次第に固い爪の中に広がります。外用薬は固い爪の深くまでは浸透しにくいため、内服薬が推奨されています。内服することで、体の中から爪水虫を治療するため、爪の深くにいる白癬菌も退治することができます。
ただし内服の水虫治療薬には難点があります。テルビナフィンは内服すると肝臓に負担をかけるため、肝機能の検査をしながら慎重に使う必要があります。肝機能が悪化した場合は治療を続けられなくなります。イトラコナゾールは、一緒に飲んではいけない薬が多く注意が必要です。
内服の水虫薬には、上記の難点があるため外用薬だけで治療できるようになることが期待されます。
爪水虫に使える外用薬
ここ数年で爪水虫に使える外用薬が登場しました。クレナフィン爪外用液とルコナック爪外用液は、医師の処方のもとで使える爪水虫の治療薬です。内服薬が使用できない方の爪水虫の治療に使用できます。
クレナフィン爪外用液
クレナフィン爪外用液ノ主成分エフィナコナゾールは爪に侵入して増殖した白癬菌を退治します。エフィナコナゾールには、爪の主成分であるケラチンとの親和性が低いという特徴があります。そのため、爪を透過して深くにまで浸透していき、爪の深くにいる白癬菌を退治していきます。
エフィナコナゾールは、白癬菌の細胞壁が作られるのを邪魔することで白癬菌を退治していきます。
ルコナック爪外用液
ルコナック爪外用液は、有効成分のルリコナゾールを5%配合しています。従来品のルリコンにはルリコナゾールが1%配合されています。ルコナック爪外用液は、ルリコンの5倍の濃度の有効成分を配合しているということです。ルリコナゾールを高濃度に配合することで、爪深くへと浸透していきます。
ルリコナゾールの作用は上記のエフィナコナゾールと同じで、白癬菌の細胞壁が作られるのを邪魔していきます。爪深部の白癬菌を退治するため、爪水虫にも有効です。
爪まわりに使える市販薬
爪まわりに使える市販薬はありますが爪水虫には使用できません。液体タイプやジェルタイプは凹凸があって浸透しにくい爪ぎわの部分に有効です。指の間や、爪の周辺に広がってしまった水虫を早い段階で治療することで、白癬菌が爪に侵入することを防ぎましょう。
このような水虫薬は爪のまわりの水虫には有効ですが、爪水虫を治療することはできません。クレナフィン爪外用液とルコナック爪外用液のように爪の深くに有効ではありません。爪水虫の疑いがある場合は病院を受診するようにしましょう。
エクシブWきわケアジェル
エクシブWきわケアジェルは、爪の周囲の凹凸のある部分にも浸透しやすくしたジェルタイプの水虫薬です。
ラミシールプラス液
液体タイプの水虫薬です。テルビナフィンが爪の周囲の浸透します。
テルバスターEX液
テルバスターEX液は、ラミシールと同成分のテルビナフィンを配合しています。液体タイプなので爪の周辺にも浸透します。
Amazonブランドなのでお得に購入できます。
まとめ
・水虫の原因菌である白癬菌が爪に侵入して増えると、爪が白くなったり、分厚くなったり、変形したりして爪水虫になってしまいます。
・爪白癬の場合は病院で処方される内服薬で治療するのが基本です。
・クレナフィン爪外用液とルコナック爪外用液は、爪水虫に有効です。
参考資料:日経DI2014/10/23,2016/2/19