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リリカによる視力障害【作用機序と副作用】

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最近、リリカを長期間服用していて視力が低下した患者さんがいました。

リリカは痛みに効果的な薬ですが、めまいや眠気の副作用が多い薬です。まれに、視力低下などの副作用が出ることがあります。

 

・リリカは神経に傷がつくことで生じる痛みに効果があります。
・神経伝達物質の放出を邪魔することで、脳への痛みの伝達を抑えます。
・めまいや眠気の副作用が出やすい薬です。まれに、視力低下などの眼の症状が出ることもあります。

リリカとは

リリカは神経に傷がつくことで生じる痛みに効果があります。

リリカは、神経障害性疼痛の薬です。神経障害性疼痛は、神経が傷つくことによる痛みのことです。脊髄損傷などによる中枢性の神経障害性疼痛や、糖尿病や帯状疱疹などによる末梢性の神経障害性疼痛があります。

リリカは、中枢性と末梢性のどちらにも使用できます。様々な原因で起こる神経障害性疼痛に有効です。ロキソニンやイブプロフェンなど、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる一般的な痛み止めとは作用がことなります。

 

リリカの作用機序

リリカは神経伝達物質の放出を邪魔することで、脳への痛みの伝達を抑えます。

痛みは、知覚神経を通して脳に伝えられます。痛みの刺激は電気信号として脳に伝えられます。神経終末のシナプスでは、神経伝達物質によって信号が伝えられます。この時、神経終末にカルシウムイオンが流入することで神経伝達物質が放出されます。こうして脳で痛みを感じます。

リリカは、神経終末で神経伝達物質が放出されるのを邪魔します。具体的には、神経にカルシウムが流入するのを防ぎます。神経伝達物質が減ることで、脳へ痛みの刺激が伝えられなくなり、痛みが抑えられます。

 

リリカの副作用

リリカは、めまいや眠気の副作用が出やすい薬です。まれに、視力低下などの眼の症状が出ることもあります。

めまいや眠気が20%以上の確率で起こります。急に服用を中止すると、吐き気などの離脱症状が起こります。中止するときは、徐々に服用量を減らします。服用を始める時は徐々に増やします。

 

視覚障害

リリカの服用で視力低下、物が二重に見えるなどの眼の症状が出ることがあります。臨床試験では9~10%の確率で眼に関する副作用の報告があります。

添付文書の「重要な基本的注意」には以下の記載があります。

⑷本剤の投与により、弱視、視覚異常、霧視、複視等の眼障害が生じる可能性があるので、診察時に、眼障害について問診を行う等注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

リリカを服用していて目の異常を感じた時には、早めに医師に相談しましょう。

 

まとめ

・リリカは神経に傷がつくことで生じる痛みに効果があります。

・神経伝達物質の放出を邪魔することで、脳への痛みの伝達を抑えます。

・めまいや眠気の副作用が出やすい薬です。まれに、視力低下などの眼の症状が出ることもあります。

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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