急性弛緩性麻痺とは
国内で急性弛緩性麻痺という疾患が急増しているらしい。
今年の春ごろから患者数が増え始め、これまでに80人超の発症が確認されている。
ある患者は急に顔面蒼白になり意識を失ったらしい。
急性弛緩性麻痺は「ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症」と定義されます。
急性弛緩性麻痺の症状は
主な症状は手足などの麻痺です。
厚生労働省のサイトによると急性弛緩性麻痺の症状は以下の通り
多くは何らかの先行感染を伴い、手足や呼吸筋などに筋緊張の低下、筋力低下、深部腱反射の減弱ないし消失、筋萎縮などの急性の弛緩性の運動麻痺症状を呈する。
発症機序が同一ではないが、同様の症状を呈するポリオ様麻痺、急性弛緩性脊髄炎、急性脳脊髄炎、急性脊髄炎、ギラン・バレー症候群、急性横断性脊髄炎、Hopkins症候群等もここには含まれる。
原因は特定されていない
原因はエンテロウイルスD68とみられるが特定はされていない。
以下は厚生労働省のサイトより
ウイルスなどの種々の病原体の感染により弛緩性の運動麻痺症状を呈する感染症である。
国内では今年5月から国内の患者数をまとめている。
患者数は9月から増加し、合計で86人に上っている。
専門家は、風邪のような症状の後に突然動かなくなるなどの症状の場合に受診するよう呼び掛けている。
治療法は?
以下は厚労省の研究班による報告より、急性弛緩性麻痺のうち急性弛緩性髄膜炎の治療の、部分を抜粋しました。
基本的には対症療法になるようです。
急性弛緩性脊髄炎(AFM)に対して、今のところ著効する治療はなく、対症療法、支持療法を中心に行う。 静注免疫グロブリンの投与は試みられてよい治療法である。
「急性弛緩性⿇痺を認める疾患の サーベイランス・診断・検査・治療に関する⼿引き 」より
予防は手洗い
風邪やインフルエンザと同様に飛沫感染するといわれています。感染予防には手洗いやマスクが効果的です。
後遺症が残るのか
厚労省の研究班によると、運動麻痺は改善するものの、筋力低下が見られることがあるそうです。
運動麻痺は改善するものの、最終的に75~90%の患者で様々な程度の筋力低下が残存する(中央値6か月以上のフォローアップ期間)1~3)。遠位筋は近位筋に比べ筋力が回復しやすい。筋力の改善は主に6か月以内に見られるが、12か月以内はさらに改善することもある。麻痺肢には著しい筋萎縮が見られる。一方、膀胱直腸障害や意識障害、感覚障害といった他の神経症候は多くで完全に回復する。
「急性弛緩性⿇痺を認める疾患の サーベイランス・診断・検査・治療に関する⼿引き 」より