日本ではわずかでも母乳に移行するものは 授乳中に服用させない、という考え方になっています。
国立成育医療センターのホームページには「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」が挙げられていますが、基本的には添付文書に従う必要があります。
授乳中に薬を服用する一つの方法は、医師に処方してもらうことです。
もう一つは、添付文書に”授乳中の服用は避けること”と記載されていない市販薬を購入することです。
大半の薬が授乳中は不可
医療用医薬品の添付文書には、授乳中でも服用しても問題ないかが示されています。
75%の添付文書で、 "授乳中の服用は避けること "という記載があります。
日本では、母乳への移行が報告されているものは授乳中には服用できないことになっています。
しかし、ほとんどの場合は母乳に移行する量は1%以下です。
わずかでも母乳に移行するものは 授乳中に服用させない、という考え方になっています。
授乳中でも問題ない薬
授乳中に服用しても問題ないと考えられる薬があります。
国立成育医療センターには「妊娠と薬情報センター」が設置されていて、妊娠・授乳と薬についての情報を発信しています。
これは、厚生労働省が設置したセンターで信頼のおける情報です。
国立成育医療センターのホームページには「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」が列挙されています。
添付文書に従う必要がある
服用できる薬についての情報がありますが、 日本では添付文書が唯一法的根拠を持つ資料です。
そのため、”問題ない”とされていても、基本的には添付文書に従う必要があります。
添付文書に従わずに事故が起きた場合、「特別な合理的理由」を示す必要があります。
授乳中に薬を服用したい場合
授乳中に薬を服用したい場合はどうすればよいでしょうか。
処方してもらう
一番スムーズなのは、医師に処方してもらうことです。
添付文書に"授乳中の服用は避けること"という記載があっても、薬の必要性など「特別な合理的理由」を判断して処方される可能性があります。
市販薬を購入する
添付文書に"授乳中の服用は避けること "と記載されていないものを購入します。
"授乳を中止するように "と記載されているものは服用しないようにしましょう。
ドラッグストアの薬剤師や 登録販売者が、授乳中に服用する「特別な合理的理由」を示すことは難しいでしょう。
国立成育医療センターのホームページなどで問題ないとされていても、添付文書に従う必要があるのが現状です。
まとめ
・医薬品の添付文書は、わずかでも母乳に移行するものは 授乳中に服用させない、という考え方になっています。
・国立成育医療センターのホームページには「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」が列挙されています。
・日本では添付文書が唯一法的根拠を持つ資料であるため、基本的には添付文書に従う必要があります。
・添付文書に従わずに事故が起きた場合、「特別な合理的理由」を示す必要があります。
・授乳中に薬を服用したい場合は、医師に処方してもらうか、添付文書に"授乳中の服用は避けること"と記載されていない市販薬を購入しましょう。
参考資料:国立成育医療センターホームページ、富山県周産期医療センターホームページ