皮膚薬/虫よけ

トラネキサム酸の肌への効果とは【肝斑】

2019年11月1日

トラネキサム酸は、肌のメラノサイトがシミをつくるのを邪魔する作用があります。

トランシーノなどの医薬品に配合されています。

この記事では、トラネキサム酸の作用を詳しく解説します。


 

 

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トラネキサム酸とは

トラネキサム酸には、止血作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用などがあります。これらの作用は、プラスミンの働きを邪魔することによります。プラスミンの邪魔をすることで、シミにも効果があることがあります。

でも、そもそもプラスミンって何?
プラスミンは血栓を溶かす物質です。

プラスミンとは

プラスミンは血栓を溶かす物質です。出血が起こると、血小板が集まり血小板血栓ができます。出血が起きると、血小板でできた血栓によって出血を止めます。(一次止血)そのあと、網目状の膜となったフィブリンが血小板の血栓を覆って固めていきます。(二次止血)

こうして血が止まると、覆いかぶさっているフィブリンは要らなくなります。ここで登場するのがプラスミンです。プラスミンは要らなくなったフィブリンを溶かしていきます。プラスミンは普段はプラスミノーゲンという不活性な形で血液中に存在しますが、血栓ができた時だけ、プラスミノーゲンがプラスミンに変化して血栓を溶かしていきます。

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プラスミンのことは分かったけど、トラネキサム酸と何の関係があるの?
いい質問ですね。

トラネキサム酸にはプラスミンの邪魔をする働きがあるんです。

トラネキサム酸の止血作用

プラスミンに血栓を溶かす作用があることが分かりました。では、トラネキサム酸はどう関係するのでしょうか。

トラネキサム酸にはプラスミンの邪魔をする作用があります。以下の二つの作用でプラスミンが血栓を溶かすのを邪魔して止血作用を発揮します。

 

①プラスミンができにくく

トラネキサム酸がプラスミンの原料であるプラスミノーゲンにくっつきます。すると、プラスミノーゲンがプラスミンに変換できなくなります。

 

②プラスミンがフィブリンにくっつくのを邪魔します

トラネキサム酸は、プラスミンにもくっつきます。トラネキサム酸がくっついたプラスミンはフィブリンにくっつくことができなくなります。そのため、フィブリンを溶かすことができなくなります。

このように、トラネキサム酸はプラスミンが血栓を溶かす作用を邪魔します。血栓を溶けにくくすることで、止血作用を発揮します。

 



トラネキサム酸には止血作用があるんですね。
そうなんです。

でも、それだけじゃないんですよ。

 

トラネキサム酸の抗アレルギー、抗炎症作用

プラスミンは炎症の発現にも関係しています。

プラスミンは、アレルギーや炎症を引き起こすキニンなどをつくり出します。トラネキサム酸は、プラスミンの働きを邪魔することで、アレルギー反応や炎症反応を抑えます。それにより、トラネキサム酸には口内炎や喉の痛みや腫れを抑える作用があります。トラネキサム酸は、のどの炎症を抑える目的で使用されることが多い薬です。



トラネキサム酸にはいろんな作用があるんですね。

肝心のお肌にはどんな作用があるんですか?

トラネキサム酸はシミをできにくくすることが分かっています。

先ほど出てきたプラスミンが関係しています。

 

 

トラネキサム酸は肝斑に効く

シミにはいくつかの種類があります。トラネキサム酸は、特に肝斑と呼ばれるシミに効果があることが分かっています。肝斑の特徴は、左右対称にほぼ同じ形、大きさで現れることです。特にほほ骨のあたりに現れ、比較的広い範囲に、輪郭がはっきりしない形でモヤッと広がります。肝斑の原因の一つが、表皮のメラニン色素の増加です。妊娠や経口避妊薬によって悪化することが報告されています。紫外線も、肝斑を発症させたり、悪化させたりしていると考えられています。

 

シミの種類
シミには肝斑の他に、老人性色素斑、そばかす、炎症性色素沈着症、対称性真皮メラノサイトーシスなどがあります。
・老人性色素斑
老人性色素斑は、シミの中で最も多いものです。30歳を過ぎてから目立ち始めます。長い間、何度も日光に当たることで、皮膚の細胞が変化することで生じると考えられています。
・そばかす(雀卵斑)
そばかすは、遺伝による影響が強く、3歳ころからできはじめます。30歳をすぎると、増えることはなくなります。
・炎症性色素沈着症
炎症性色素沈着症は、年齢や性別に関係なく、皮膚の炎症がおこったあとにできる色素沈着です。ニキビや化粧品によって炎症が起こった部分にできてしまいます。
・対称性真皮メラノサイトーシス
対称性真皮メラノサイトーシスは、成人の女性の頬や額にできる小さな色素斑です。シミというよりアザに分類されます。肝斑と間違いやすいため、注意が必要です。

 

肝斑の発症メカニズム

色素細胞(メラノサイト)を刺激する物質の一つがプラスミンであることが分かっています。プラスミンは、血栓を溶かす物質でしたね。プラスミンには、メラノサイトを刺激する作用もあります。

紫外線が当たると、皮膚ではメラニンがつくられて紫外線から皮膚を守ろうとします。このとき関係するのがプラスミンです。皮膚の角化細胞(ケラチノサイト)が紫外線を受けることで、プラスミノーゲンがプラスミンに変化します。こうして出来上がったプラスミンは色素細胞(メラノサイト)を刺激します。その結果、メラニンが作られてシミができます。

 

肝斑へのトラネキサム酸の作用

トラネキサム酸は、プラスミンの邪魔をしてメラニンがつくられにくくします。トラネキサム酸がプラスミンにくっつくことで、プラスミンは、色素細胞(メラノサイト)にくっつくことができなくなります。そのため、プラスミンが色素細胞(メラノサイト)を刺激できなくなり、メラニンが少なくなります。

このように、トラネキサム酸にはシミができるのを防ぐ作用があります。

 

 

まとめ

・トラネキサム酸はプラスミンが血栓を溶かす作用を邪魔することで、止血作用を発揮します。

・トラネキサム酸には、止血作用だけでなくシミができるのを防ぐ作用があります。

・プラスミンという物質がメラノサイトを刺激するのを邪魔して、メラニンをつくらせないようにします。

・このように、トラネキサム酸にはシミを改善する作用があります。市販薬のトランシーノは肝斑に効果がある第一類医薬品です。薬剤師がいるドラッグスストアやインターネットで購入できます。

 

参考資料:ファルマシアVol.44 No.5 2008


※トランシーノⅡは第一類医薬品のため、薬剤師による販売が義務付けられています。インターネットでの購入も可能です。

*医薬品の使用に当たっては、担当の医師、薬剤師等の指示に従って下さい。

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