うがい薬にはポビドンヨードを配合したものと、アズレンスルホン酸ナトリウムを配合したものがあります。この2種類が代表的なうがい薬です。
ポビドンヨードは感染予防の効果があり、アズレンスルホン酸ナトリウムは炎症を抑える効果があります。
アズレンスルホン酸ナトリウムは、のどどの炎症を抑えます。
ポビドンヨードの作用
ポビドンヨードは、イソジンうがい薬などに配合されています。細菌やウイルスを死滅させます。
インフルエンザウイルスに対しては、イソジンガーグル*を14倍に希釈したものを30秒使用するとウイルスが99.99%不活性化します。*イソジンガーグルは医療のイソジンうがい薬です。
その他にも様々な細菌やウイルスを死滅させます。以下に、そのうちの幾つかを挙げます。
・アデノウイルス:14倍希釈30秒で99.0%以上不活性化
・風疹ウイルス:14倍希釈60秒で99.9%以上不活性化
・鳥インフルエンザウイルス(高病原性):30倍希釈10秒で99.99%以上不活性化
・カリシウイルス(ネコ、イヌ):30倍希釈10秒で99.9%以上不活性化
ポビドンヨードは、ウイルスだけでなく細菌にも効果があります。そのため、口内炎や抜歯後の消毒にも使います。
ただし、長期間習慣的に使うべきではありません。のどの常在菌を死滅させ菌交代現象が起きてしまいます。
イソジンうがい薬には、ポビドンヨードや添加物を溶かすためにアルコールが入っています。そのため、口の中が乾燥してしまうことがあります。乾燥を伴う炎症には、アズレンスルホン酸ナトリウム配合のうがい薬を使いましょう。
うがい薬はインフルエンザの流行期や、免疫が低下している場合に使いましょう。
通常は水でのうがいで十分です。
アズレンスルホン酸ナトリウムの作用
ポビドンヨードとは違って、アズレンスルホン酸ナトリウムは予防目的ではありません。
炎症を抑えるので、のどの痛みや腫れがあるときに有効です。歯肉炎や口内炎にも使用します。傷の治癒を促進するので、口の中の傷を改善します。
2種類のうがい薬の使い分け
アズレンスルホン酸ナトリウムは、予防ではなくのどを痛めたときなどに使いましょう。
アズレンスルホン酸ナトリウムは炎症を抑えます。予防目的ではなく症状があるときに使います。のどの痛みや口内炎などに効きます。
まとめ
ポビドンヨードは細菌やウイルスを死滅させます。
アズレンスルホン酸ナトリウムは、炎症を抑え傷の治癒を促進します。予防ではなく、のどの痛みなどの症状があるときに使いましょう。
参考資料:イソジンガーグル液7%添付文書、インタビューフォーム、アズノールうがい液4%添付文書