【感染症】消毒用エタノールはノロウイルスに有効か

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ノロウイルスには、次亜塩素酸が有効であることはよく知られています。

以前は、次亜塩素以外は有効でないと考え、アルコール消毒があまり行われてきませんでした。

実際、以前の厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」には、

「ノロウイルスの失活には、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)はあまり効果がありません」

という記載がありました。

平成27年6月版からは、この文言がなくなっています。

最近では、ノロウイルス感染予防という点でも、アルコール消毒を適切に行うことが推奨されています。



 

手洗いの補助として

ウイルスを除去するためには、石鹸と流水によって物理的に流すことが重要です。

それでも、手のしわに残ってしまい、わずかなウイルスが感染してしまいます。

 

そこで、手洗い後に消毒用エタノールを使用することが推奨されています。

石鹸と流水による手洗いをした上で、エタノール消毒を行うことで相乗効果を期待できます。

 

十分な量の消毒用エタノールを使用します。

目安としては、15秒以内には乾かない量とされています。



 

次亜塩素酸が使用できないところに

次亜塩素酸を使用すると傷みが生じるような部分には、消毒用エタノールが推奨されています。

金属製品、繊維製品

次亜塩素酸を用いると腐食作用、漂白作用が働いてしまうため、次亜塩素酸は使用できません。

そこで、熱湯(80℃10分以上)や消毒用エタノールが有効です。

 

プラスチック

トイレの便座などプラスチック部分も、次亜塩素酸では劣化してしまうため、消毒用エタノールを使用します。

 

木材製品

家具などの木材部分に次亜塩素酸を使用すると効力が弱くなります。

木材部分にも消毒用エタノールを使用します。

 

使用法

消毒用アルコールの効果は強力ではないため、多めの量で2回使用すること(15秒程度あける)が推奨されています。



 

ノロウイルスは培養できない

現在の技術では、ノロウイルスは培養することができません。

ヒトのノロウイルスは培養できないため、ネコカシリウイルス、マウスノロウイルスを用いた消毒効果の判定しか行われていません。

 

そのため、ノロウイルスに対する消毒薬の効果は確かめることが出来ていません。

次亜塩素酸についても、消毒用アルコールについてもノロウイルスに対する消毒効果は確かめられていません。

 

 

ノロウイルスに似たウイルス

これまで、ノロウイルスに似たウイルスを使用した実験が行われてきました。

ノロウイルスに似たウイルスには、ネコカシリウイルスマウスノロウイルスといったものがあります。

 

マウスノロウイルスに対しては、消毒用アルコールが有効であるという実験結果があります。

マウスノロウイルスは、ネコカシリウイルスよりもヒトのノロウイルスに類似しています。

 

消毒用エタノールは、マウスノロウイルスに対して有効であるため、ヒトのノロウイルスに対しても有効と推定されています。

 

まとめ

・手洗い後に消毒用エタノールを使用することが推奨されています。

次亜塩素酸を使用すると傷みが生じるような部分には、消毒用エタノールが推奨されています。

次亜塩素酸についても、消毒用アルコールについてもノロウイルスに対する消毒効果は確かめられていません。

消毒用エタノールは、マウスノロウイルスに対して有効であるため、ヒトのノロウイルスに対しても有効と推定されています。

 

 

参考資料:ノロウイルスに係るエタノール使用ガイドライン(アルコール協会)