【椎間板ヘルニア】ヘルニコアはコンドロイチンを分解する

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ヘルニコアの有効成分はコンドリアーゼという酵素です。

コンドリアーゼは、グラム陰性桿菌の一種であるProteus vulgaris が産生する酵素です。

コンドリアーゼは、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン及びヒアルロン酸を分解する作用があります。

 

 



 

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板組織が飛び出て(ヘルニア)神経を圧迫することで、痛みやしびれを生じる疾患です。

20~40才代の男性に多く、症状を改善することが重要とされています。

治療には保存療法手術療法があります。

 



 

ヘルニコアの作用機序

コンドリアーゼ(ヘルニコア)を椎間板内に直接注入すると、コンドロイチン硫酸を分解して、プロテオグリカンの保水能を低下させます。

 

椎間板の主要成分は、プロテオグリカンという保水成分です。
プロテオグリカンは、コンドロイチン硫酸タンパク質によって構成されています。

 

コンドリアーゼ(ヘルニコア)は、コンドロイチン硫酸を分解してプロテオグリカンの保水能力を低下させます。
コンドロイチンは、たくさんのが一列に長くつながった多糖のことです。
コンドリアーゼ(ヘルニコア)が、糖のつながりを断ち切っていく事でコンドロイチンを分解していきます。

 

その結果、椎間板の中の圧力が低下して、神経の圧迫が軽減されます。

 

 



 

ヘルニコアの効能・効果

椎間板ヘルニアの診断を受けていても、すべての症例で使用できるわけではありません。

 

効能効果は以下の通りです。

保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア

 

使用できるのは、痛みの原因がヘルニアによる神経の圧迫であるとはっきりしている場合に限られます。

<効能・効果に関連する使用上の注意>には以下の記載があります。

画像上ヘルニアによる神経根の圧迫が明確であり、腰椎椎間板ヘルニアの症状が画像所見から説明可能な患者にのみ使用すること。

 

ヘルニア以外の腰椎疾患のある人は使用できません

変形性脊椎症、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症などの腰椎椎間板ヘルニア以外の腰椎疾患のある人には使用できません。

 

後縦靱帯下脱出型以外のヘルニアにも使用できません

ヘルニコアの適応は後縦靱帯下脱出型のヘルニアに限られています。

ヘルニアには他に、膨隆・突出型、経後縦靭帯脱出型、遊離脱出型と呼ばれるものがあります。

専門医の診断が必要になります。

 

 



 

投与方法

用法・用量は以下の通りです。

通常、成人にはコンドリアーゼとして1.25単位を症状の原因である高位の椎間板内に単回投与する。

 

ヘルニコアの投与は1回の注射で終了です。
1回投与を受けた方は、再び投与を受けることはできません。

 

厳重な無菌操作のもとで、腰椎椎間板ヘルニアの部位の椎間板内の中心にコンドリアーゼ椎間板注用1.0 mLをゆっくりと注射します。

コンドリアーゼによる治療は、腰椎椎間板ヘルニアの診断と治療に十分な知識・経験を持ち、椎間板穿刺に熟達した医師のもとで行われます。

 

 



 

 

腰椎不安定性

ヘルニコア投与後に、椎間板内が不安定になることがあります。

そのため、腰椎が安定化するまでの期間は、過度な運動腰に過度の負担がかかる動作(重量物を持ち上げる等)を避ける必要があります。

 

 

まとめ

・ヘルニコアは、コンドロイチン硫酸を分解して、プロテオグリカンの保水能を低下させます。その結果、椎間板の中の圧力が低下して、神経の圧迫が軽減されます。

・すべての症例で使用できるわけではありません。

ヘルニコアの投与は1回の注射で終了です。1回投与を受けた方は、再び投与を受けることはできません。

 

参考資料:添付文書、インタビューフォーム、患者向医薬品ガイド、適正使用ガイド